お正月、家族で過ごす大切な時間。帰省して賑やかに過ごすのが日本の伝統的な風景ですが、近年、変化の兆しが見えています。実は、子供たちが祖父母の家に行きたがらなくなっているというのです。今回は、Aさん家族の事例を通して、その背景にある意外な理由と、物価高騰の影響について考えてみましょう。
帰省を渋る子供たち:Aさん家族のケース
Aさんは45歳、食品メーカー勤務のサラリーマン。妻と二人の息子と暮らすごく普通の家庭です。毎年恒例のお正月は、車で3時間かけて実家に帰省し、親戚一同で賑やかに過ごすのが定番でした。特にコロナ禍で数年ぶりの再会となった昨年は、喜びもひとしおだったといいます。
しかし、今年の年末、Aさんは息子たちから衝撃的な言葉を聞きます。「お正月、おじいちゃんおばあちゃんの家に行かなくてもいい」。理由を尋ねても「家でゲームしていたい」「寒いからイヤ」と曖昧な返事。そこで妻に探りを入れさせたところ、意外な事実が判明しました。なんと、昨年のお年玉の少なさが原因だったのです。
お年玉の金額が原因?物価高の影響
Aさん家族に限らず、近年、物価高の影響でお年玉の金額を減らす家庭が増えているようです。Aさんの親戚一同も例外ではなく、昨年は子供一人につき1万円のお年玉に。今年はガソリン代の高騰もあり、今年も同額で済ませる予定でした。
子供たちにとって、お年玉は正月の楽しみの一つ。金額が減ったことで、帰省のモチベーションが下がってしまうのも無理はないのかもしれません。 ファイナンシャルプランナーの山田彩乃氏(仮名)は、「物価高は家計に大きな影響を与えています。特に子育て世代にとっては、教育費や生活費に加えて、帰省費用や贈答品など、年末年始の出費は大きな負担となります。お年玉の金額を調整することも、家計を守る上での一つの選択肢と言えるでしょう」と指摘しています。
新しいお正月の過ごし方
Aさん家族の事例は、現代社会における家族の課題を浮き彫りにしています。物価高の影響や価値観の変化によって、伝統的なお正月の過ごし方も見直される時期に来ているのかもしれません。
例えば、帰省の代わりにオンラインで親戚と繋がる、近場で小旅行を楽しむ、自宅でゆっくりと過ごすなど、様々な選択肢があります。大切なのは、家族みんなで話し合い、それぞれの状況に合ったお正月の過ごし方を見つけることではないでしょうか。 食文化研究家の佐藤健氏(仮名)も、「お正月は家族の絆を深める大切な機会。形式にとらわれず、家族みんなで楽しめる方法を見つけることが重要です」と提唱しています。
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家族で囲む食卓、子供たちの笑顔。お正月は、温かい思い出を作る絶好の機会です。 今年の年末は、家族でじっくり話し合って、新しいお正月の過ごし方を考えてみてはいかがでしょうか。