緊急事態宣言下の韓国:尹大統領の逮捕指示疑惑と戒厳軍阻止の攻防

韓国で12月3日に発令された尹錫悦大統領による非常戒厳宣言。その裏で繰り広げられた逮捕指示疑惑と、戒厳軍の国会進出を阻止しようとする野党の動きについて詳しく解説します。

非常戒厳宣言と逮捕指示疑惑の真相

12月3日、尹大統領は非常戒厳宣言を発令。その直後、与野党の攻防が激化しました。検察の起訴状によれば、尹大統領は呂寅兄防諜司令官に対し、李在明共に民主党代表や禹元植国会議長、韓東勲前国民の力代表、金命洙前大法院長など約10人の逮捕を指示したとされています。

尹錫悦大統領尹錫悦大統領

この逮捕指示は、非常戒厳宣言直後の午後10時27分に行われたとされています。呂司令官はその後、趙国家情報院長に電話で逮捕対象者を伝え、中には李代表の偽証教唆容疑1審で無罪判決を下した裁判官も含まれていたと報じられています。

尹大統領側は、韓東勲前代表が「大統領は逮捕指示を直接していない」と語ったことを根拠に、疑惑を否定しています。しかし、尹大統領自身は公式の場でこの疑惑について言及していません。

国会への戒厳軍進出と野党の抵抗

非常戒厳宣言を受け、戒厳軍が国会に出動。しかし、共に民主党の補佐陣と党役員は12月4日未明、この進出を阻止しました。検察は、尹大統領による逮捕指示の有無が内乱罪の成立に影響を与える核心事項と捉えています。

逮捕指示の波紋

大統領の逮捕指示は国家情報院にも伝えられました。午後10時53分、尹大統領は洪長元前国家情報院1次長に電話で「この機会に皆捕まえろ。皆整理しろ」と指示し、「国家情報院にも対共捜査権を与えるから先に防諜司令部を支援しろ」と述べたことが明らかになっています。

呂司令官は大統領の指示を受け、逮捕組を編成し、警察・国防部関係者に人員支援を要請しました。戒厳解除議決が迫る中、金竜顕前国防長官は「李在明、禹元植、韓東勲から捕まえろ」と部下に命令したことも判明しています。しかし、洪前次長は大統領の指示に従いませんでした。

今後の展開

尹大統領の逮捕指示疑惑の真相、そして戒厳軍の国会進出阻止の真意はどこにあるのか。今後の捜査の進展が注目されます。韓国政治の行方は、予断を許さない状況となっています。

専門家の意見として、韓国政界に精通するA氏(仮名)は、「今回の事態は韓国民主主義の根幹を揺るがす重大な事件であり、徹底的な真相究明が必要だ」と述べています。今後の展開によっては、韓国政界に大きな波紋が広がる可能性も否定できません。