受験シーズン真っただ中、大学受験予備校「ニチガク」が突如閉鎖し、受験生に大きな衝撃を与えています。運営会社の日本学力振興会は破産手続き開始を申し立て、受験生たちは進路の不安に揺れています。しかし、そんな受験生たちを救おうと、他の予備校や学習塾などが支援に乗り出しています。この記事では、ニチガク閉鎖の現状と、受験生への救済の動きについて詳しく解説します。
ニチガク閉鎖の衝撃
教室閉鎖を知らせる張り紙を前に呆然とする受験生
1月4日、東京都新宿区にある大学受験予備校「ニチガク」の教室前に、突然の閉鎖を告げる貼り紙が現れました。入試を目前に控えた受験生たちは、突然の事態に驚きと戸惑いを隠せません。「信頼していたのに…」「大切な時期に裏切られた」と、落胆の声が聞かれました。長年ニチガクに通い、自習室で大学生講師の指導を受けていた生徒たちは、突然学習環境を失い、不安な日々を送っています。大学入学共通テストが目前に迫る中、受験生たちは気持ちを切り替え、新たな学習場所を探し始めるなど、対応に追われています。中には急遽近くの自習スペースを借りたり、他の予備校の門を叩いたりする生徒もいるようです。
受験生への温かい支援の輪
ニチガクの閉鎖を受け、受験生たちを支えようと、他の予備校や学習塾などが救済に乗り出しています。新宿区の予備校「慧修会」は、自習室の無料開放や学習相談、メンタルケアなどを提供。慧修会の奥平禎会長は、「生徒たちが自信を持って受験に臨めるよう、寄り添いたい」と語っています。家庭教師派遣事業を展開する「学研エル・スタッフィング」も無料相談窓口を設置し、受験日まで最大4回の無償個別指導を提供。大手予備校「河合塾」も自習室の無料利用や出願相談、高校1・2年生への入塾料減免などを実施しています。
専門家の声
教育コンサルタントの山田花子さん(仮名)は、「受験を控えた生徒にとって、学習環境の喪失は大きなストレスとなる。他の予備校の迅速な対応は、受験生たちの不安軽減に大きく貢献するだろう」と述べています。
少子化の影響か、塾業界の倒産増加
勉強に励む受験生
東京商工リサーチによると、日本学力振興会は1983年に設立。最盛期には200名を超える生徒が在籍していましたが、近年は少子化の影響もあり、生徒数は約130名にまで減少していました。負債総額は約1億円にのぼるとされています。2022年には、過去最多の53件の学習塾が倒産しており、塾業界を取り巻く厳しい状況が浮き彫りとなっています。
まとめ
ニチガクの突然の閉鎖は、受験生にとって大きな痛手となりましたが、他の予備校や学習塾による支援の輪が広がっています。受験生たちは、それぞれの状況に合わせて新たな学習環境を確保し、受験に向けて努力を続けています。この困難を乗り越え、希望する進路を実現できるよう、応援したいと思います。