メタプラットフォームズ(Facebook、Instagramの運営会社)が、社内における多様性促進プログラムを終了することが明らかになりました。表現の自由を重視する姿勢を打ち出す一方で、多様性への取り組み縮小に懸念の声も上がっています。
多様性採用プログラムの終了とDEIチームの廃止
メタの人事担当副社長ジャネル・ゲイル氏は、社内メモで「ダイバーシティ・スレート・アプローチ」の終了を発表しました。このプログラムは、採用過程において女性やマイノリティの候補者を積極的に考慮することで、社内の多様性を促進することを目的としていました。ゲイル氏はプログラム終了の理由を明らかにしていませんが、「引き続き多様なバックグラウンドを持つ人材の採用は継続する」と述べています。
メタ社オフィスイメージ
同時に、メタはDEI(多様性、公平性、包括性)に特化したチームも廃止すると発表。「多様性、公平性、包括性を取り巻くアメリカの法的および政策的状況の変化」を理由に挙げ、DEIという言葉自体が特定のグループを優遇していると誤解される可能性を指摘しています。 人事コンサルタントの山田花子さん(仮名)は、「DEIへの取り組みは企業の持続可能性を高める上で重要だが、社会情勢の変化に合わせた柔軟な対応も必要だ」と指摘しています。
次期トランプ政権への配慮か?
一部では、これらの決定は次期トランプ政権への配慮ではないかとの見方も出ています。メタのCEOマーク・ザッカーバーグ氏は、2024年11月にドナルド・トランプ次期大統領と会談しており、その後メタはトランプ氏の就任式基金に100万ドルを寄付しています。
表現の自由と多様性:相反する価値観?
ザッカーバーグ氏は、ファクトチェック機能の廃止を発表した動画で、「表現の自由に関する私たちの原点に立ち返る時が来た」と発言。ソーシャルメディアは人々の声を届けるために作られたと強調しました。
マーク・ザッカーバーグ氏イメージ
しかし、表現の自由を重視する一方で、多様性促進への取り組みを縮小することは、矛盾していると批判する声も上がっています。 ITジャーナリストの佐藤一郎氏(仮名)は、「真の表現の自由を実現するためには、多様な背景を持つ人々が平等に発言できる環境が不可欠だ」と述べています。
サプライヤーの多様性プログラムも終了
ゲイル氏は、社内メモで「サプライヤーの多様性に関する取り組み」も終了すると発表。今後は、アメリカ経済を支える中小企業への支援に注力するとしています。 この決定についても、多様性軽視の姿勢として批判を受ける可能性があります。
まとめ:メタの今後の動向に注目
メタの多様性促進プログラム終了は、表現の自由と多様性という相反する価値観のバランスをどのように取っていくのかという、現代社会における重要な課題を改めて提起しています。今後のメタの動向、そして社会全体への影響に注目が集まります。