【中古車業界の闇】ビッグモーター破綻後も続くトラブル…安心して車を買える日は来るのか?

中古車市場は今、大きな変革期を迎えています。ビッグモーターの破綻は業界に衝撃を与えましたが、残念ながら、未だに消費者を不安にさせるような販売 practices が残っているのも事実です。この記事では、実際に起きたトラブル事例を通して、中古車業界の現状と課題を深く掘り下げていきます。

ビッグモーター破綻後の変化と残る課題

2023年12月、ビッグモーターの存続会社である株式会社BALMが民事再生法の適用を申請し、負債総額は約830億円という巨額に。保険金不正請求問題で揺れたビッグモーターの破綻は、業界の転換点となりました。伊藤忠商事による買収、WECARSへの社名変更、そして新たなCM展開など、イメージ刷新への取り組みは目に見える形で進んでいます。

WECARSの看板WECARSの看板

実際に、筆者もWECARS(旧ビッグモーター下関店)で車両を購入。納車後のキャンセル対応、追加費用の請求なし、不要なサービスのカットなど、以前の問題点を改善する動きが見られました。公正取引委員会の指導による総額表示の義務化も、透明性向上に貢献しています。

しかし、業界全体の問題は根深く、他社でもトラブルが報告されています。ガリバーを運営するIDOM、ネクステージ、グッドスピードなど、大手中古車販売会社にも金融庁の立入検査が入っており、保険金不正請求や不正会計の疑惑が浮上しています。グッドスピードのケースでは、「嘘納車」や「納車テイ」といった手法による売り上げ先行計上が発覚し、組織的な関与も疑われています。

トラブル事例に見る中古車業界の闇

ネクステージでトヨタ86を購入したAさんのケースでは、納車3日目でエンジンが故障。ネクステージ側は当初無償修理を約束したものの、後に「エンジンに負荷のかかる運転をしていた可能性がある」として20万円の検査費用を請求。最終的に無償修理を拒否しました。

エンジンオイルエンジンオイル

Aさんは独自に専門家に調査を依頼し、その結果をネクステージに提出しましたが、明確な回答は得られず、最終的に自費でエンジンを載せ替えることになりました。ネクステージ側は「保証を確約した事実はない」と主張していますが、消費者の不信感は拭えません。

他にも、買取価格の減額、期間限定価格の急な変更、認定中古車の不備など、様々なトラブルが報告されています。認定中古車を購入したBさんのケースでは、ホイールが旧型でボンネットが交換済み、さらに新品とされていたタイヤも中古品だったことが判明。ディーラー側は「現車確認済み」を理由に交渉に応じない姿勢を見せています。

消費者が安心して車を買える未来を目指して

これらのトラブル事例は氷山の一角に過ぎません。大手レビューサイトの評価も必ずしも信頼できる情報源とは言えず、消費者はどの販売店を選べばいいのか迷ってしまう状況です。

自動車生活ジャーナリストの加藤久美子氏は、「中古車業界は変革期を迎えているものの、消費者を不安にさせるような販売手法や不透明な査定・検査は依然として存在する」と指摘しています。「業界全体が透明性を高め、消費者が安心して車を選べる環境づくりが急務」と訴えています。

まとめ

ビッグモーターの破綻は中古車業界の大きな転換点となりましたが、依然として多くの課題が残っています。消費者が安心して中古車を購入できる未来に向けて、業界全体の意識改革と透明性の向上が求められています。