韓国大統領弾劾反対集会で波紋呼ぶ「水ご飯」配布の真相

尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾に反対する集会で、無料の「水ご飯」が配布され、物議を醸している。一見シンプルなこの行為の裏に、韓国の民俗信仰が絡み、様々な憶測を呼んでいる。一体何が起きているのか、詳しく見てみよう。

フードトラックで無料配布された「水ご飯」とは?

1月7日、ソウル龍山区で開かれた尹大統領弾劾反対集会で、あるフードトラックが注目を集めた。ワッフルやたこ焼きを販売すると掲げられていたトラックから、実際には紙コップに入った少量の米飯と水、そして楊枝が添えられた「水ご飯」が無料で配布されたのだ。運営者は参加者に「お腹に何か入れたほうが落ち着く」と声をかけ、料金は取らないと説明していたという。

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「水ご飯」配布の真意は?民俗信仰との関連性

一見何気ない「水ご飯」の配布だが、韓国の民俗信仰との関連性が指摘され、波紋を広げている。韓国では、「水ご飯」は「客鬼(カクィ)」と呼ばれる悪霊を鎮めるための供物として用いられることがある。客鬼とは、成仏できずに彷徨い、人間に害をなすとされる霊のこと。これを追い払うため、「水ご飯」を供えたり、家の前に撒いたりする儀式が行われる。

さらに、紙コップに刺さった楊枝も、故人を弔う儀式である「挿匙(チャッシ)」を連想させるとの声も上がっている。挿匙とは、供物のご飯に箸を立てる行為を指す。これらの民俗的な意味合いから、「水ご飯」の配布には何らかの意図が隠されているのではないか、という憶測が飛び交っている。

ネット上の反応は?様々な憶測が飛び交う

この出来事は、オンラインコミュニティやYouTubeなどを通じて拡散され、様々な意見が寄せられている。「民俗的な意味が本当なら恐ろしい」「水ご飯は消化が良いからだろうが、印象は良くない」といった声のほか、「集会参加者への配慮」という肯定的な意見も少数ながら見られた。フードトラック運営者の真意は不明だが、この「水ご飯」配布は、集会に新たな謎を投げかけることとなった。

専門家の見解

韓国の民俗学専門家、パク・ミンソク氏(仮名)は、「水ご飯」と客鬼の関連性について、「地域によって解釈が異なる場合もあるが、一般的には客鬼を鎮めるための供物として認識されている」と指摘する。さらに、「楊枝の件も合わせると、儀式的行為を想起させる可能性は否定できない」と付け加えた。

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まとめ

尹大統領弾劾反対集会での「水ご飯」配布は、韓国の民俗信仰との関連性から様々な憶測を呼んでいる。真相は未だ不明だが、この一件は、文化や歴史的背景を理解することの重要性を改めて示すものと言えるだろう。今後の展開に注目が集まる。