山際大志郎氏、政治資金パーティー券「便乗値上げ」の波紋:統一教会との関係と法改正の行方

山際大志郎元経済財政・再生相(57)は、過去に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が問題視された際、その追及に対し歯切れの悪い答弁を繰り返し、有権者や与党内からも批判の声が上がりました。その山際氏が今回、来月開催予定の自身の政治資金パーティーにおける会費を“便乗値上げ”したことが、新たな波紋を呼んでいます。

山際大志郎元経済財政・再生相と統一教会の韓鶴子総裁が写る記念写真山際大志郎元経済財政・再生相と統一教会の韓鶴子総裁が写る記念写真

統一教会との過去と更迭劇

山際氏は、岸田政権で経済再生担当相として初入閣を果たしたものの、在任中に旧統一教会との「抜き差しならない関係」が大きく取り沙汰されました。当時、国会では旧統一教会の韓鶴子総裁との記念写真などの明確な“物証”が示されたにもかかわらず、山際氏は「記憶が定かではない」と繰り返し答弁。この姿勢が国会を紛糾させ、最終的には更迭される事態に至りました。彼の曖昧な対応は、多くの政治関係者や国民の間に不信感を残す結果となりました。

政治資金パーティー券の値上げとその背景

自民党関係者によると、12月15日に都内ホテルで開催予定の「山際大志郎君を励ます会」という政治資金パーティーの券が、例年の2万円という相場を大きく上回る2万5000円で販売されているとのことです。この値上げについて、山際氏のパーティー案内文では、「政治資金規正法の改正を受け、企業・団体の皆様がよりご協力いただきやすい環境を維持しつつ、今後も安定した政治活動を継続していくため」と説明しています。

政治資金規正法改正の影響

この値上げの背景には、2027年1月から施行される政治資金規正法の改正があります。改正後は、政治資金パーティーの対価を支払った者の氏名収支報告書への記載基準額が、現行の「20万円超」から「5万円超」へと大幅に引き下げられます。これにより、企業や団体が政治家との関係を公にしたくない場合、パーティー券の購入に慎重になる可能性が指摘されています。特に、山際氏のように過去にスキャンダルで注目された政治家の場合、企業側はより一層、公表基準額以下の購入に留めたいと考えるのが実情でしょう。

「裏金問題」の教訓と値上げの意図

神戸学院大学の上脇博之教授は、今回のパーティー券の値上げが「企業名を公開しない範囲で2枚買ってください」という意図を持つものだと指摘しています。つまり、1枚2万5000円と設定することで、2枚購入すればちょうど非公開基準額である5万円となり、企業名が収支報告書に記載されることなく政治献金を行うことが可能になるという見方です。

この動きは、近年発覚した「裏金問題」を受けて、政治資金の流れの透明化を図ろうとした法改正の精神を骨抜きにするものだと批判されています。企業が政治家との関係を公開せずに資金提供できる抜け道となりかねず、政治の透明性への信頼を損なう恐れがあります。

まとめ

山際大志郎氏の政治資金パーティー券値上げ問題は、過去の旧統一教会との関係という背景と、政治資金規正法の改正という新たな局面の中で発生しました。この値上げが、政治資金の流れの透明化という法改正の目的を形骸化させる可能性があるという専門家の指摘は、今後の政治における「裏金」問題再発防止策や、透明性確保の重要性を改めて浮き彫りにしています。政治家による説明責任と、国民からの信頼回復に向けた真摯な姿勢が強く求められています。

参考文献

  • 週刊新潮 2025年11月27日号掲載.
  • Yahoo!ニュース: 山際大志郎元経財相が“パー券値上げ”でまたあきれさせた!「裏金問題」受けた法改正骨抜きに?.