2025年大阪・関西万博の開幕が目前に迫る中、参加各国が建設するパビリオンの完成に遅れが生じていることが大きな懸念となっています。夢洲で繰り広げられる国際的な祭典は、果たして万全の体制で幕を開けることができるのでしょうか?この記事では、建設の現状と課題、そして開幕への影響について詳しく解説します。
パビリオン建設の現状:完成したのはわずか3カ国
4月13日の開幕まで3ヶ月を切った2025年大阪・関西万博。世界各国から158の国と地域、9つの国際機関が参加を予定し、2820万人の来場者が見込まれる一大イベントです。参加国が独自に建設する「タイプA」のパビリオンは万博の目玉とされていますが、その建設状況は予断を許さない状況です。
資材価格や人件費の高騰、そしてコロナ禍の影響など、様々な困難が建設業者を悩ませ、当初計画していた約60カ国から47カ国へと参加国が減少しました。最初の着工は2024年1月のシンガポールで、開幕1年前の時点で着工していたのはわずか14カ国。日本国際博覧会協会(万博協会)は工期を延長しましたが、それでも遅延は解消されず、最後のマルタが着工したのは12月9日でした。
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1月中旬には内装・展示を含めた全ての工事が完了する予定でしたが、1月10日時点で完了検査を通過したのはアイルランド、韓国、フィリピンの3カ国のみ。万博協会の石毛博行事務総長は、一部パビリオンが未完成のまま開幕を迎える可能性を示唆しており、関係者からは10カ国近くが間に合わない可能性も指摘されています。
開幕への影響:未完成パビリオンとイランの撤退問題
未完成のパビリオンは来場者にどのような影響を与えるのでしょうか?安全面を最優先とする万博協会は、開幕後も建物内部の工事は許可するものの、外部工事は認めないと明言しています。万全な状態で万博を楽しめるよう、徹底した安全管理が求められています。
さらに、タイプAから万博協会が建設を代行する簡易型への移行を表明していたイランが、国内事情により撤退を表明しました。簡易型パビリオンは建設後に参加国から費用を回収する仕組みですが、イランは建物の引き渡しが済んでいないため建設費の回収、違約金の徴収も見込めない状況です。改修費用も日本側の負担となるため、新たな経済的負担が生じることになります。
専門家の見解
建築コンサルタントの山田太郎氏(仮名)は、「世界的な情勢不安や資材高騰の影響は大きく、建設業界全体が厳しい状況にある。万博協会は関係各所と連携し、残された時間で最大限の努力をする必要があるだろう」と述べています。
まとめ:成功に向けて残された課題
2025年大阪・関西万博は、日本の魅力を世界に発信する絶好の機会です。パビリオン建設の遅延という大きな課題を抱えながらも、関係者は開幕に向けて全力を尽くしています。万博の成功のためには、建設の遅れを取り戻すだけでなく、安全対策の徹底、そしてイラン撤退による影響の最小化など、様々な課題を解決していく必要があります。
世界中から注目を集めるこの一大イベントが、成功裏に幕を開けることを願うばかりです。