細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』を巡り、公開直後からさまざまな話題が飛び交っています。SNSやネットニュースでは作品内容に対する辛辣な声が多数上がり、極端に客席が埋まっていない上映回を報じる記事も見受けられる状況です。既に世間では、本作を興行的に大失敗、いわゆる「大コケ」と見なす空気が広がっています。一方で、映画の公式Xアカウントは公開翌日に「大ヒット上映中」と投稿し、公式サイトでも同様の文言を掲げています。また、作品を評価するアニメファンからの声も少なからず上がっており、その評価は二分されているのが現状です。
初週興行収入と前作との比較
本作の公開初週末4日間(月曜祝日を含む)の興行収入は2億7000万円を記録しました。週末映画動員ランキング(興行通信社調べ)では、木村拓哉主演の『TOKYOタクシー』、公開3週目の『爆弾』に次ぐ3位となっています。しかし、細田作品で最大の興行収入66億円を記録した前作『竜とそばかすの姫』(2021年)の初週末3日間(8億9000万円)と比較すると、その3分の1にも満たないスタートとなりました。この流れが続けば、年末年始の興行を経た最終的な興行収入は10億円台にとどまると見られています。
公開直後の劇場で客席が空いている様子
大規模公開と宣伝戦略
映画の規模感を考慮すれば、今回の数字は物足りないと言わざるを得ません。日本テレビが全面的にバックアップし、公開前後には過去作品のテレビ放送や情報番組での予告編紹介など、大々的なアピールが行われました。配給元の東宝とソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、年末年始興行の目玉作品として300スクリーンを超える大規模公開を実施。東宝のラインナップの中でも、劇場版『チェンソーマン レゼ篇』や『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』と並ぶ、大ヒットが確約されたアニメ大作と位置付けられていたはずです。
SNSでの「ガラガラ」報告と公式の「大ヒット」宣伝の乖離
しかし、封切り直後からSNSでは客席が「ガラガラ」であることを示す投稿が目立ち、公開2週目にして早くも週末映画動員ランキングのTOP10圏外へと姿を消しました。このような状況を鑑みると、今後スクリーン数がさらに減少する可能性も考えられます。一方で、映画公式Xは公開翌日の11月22日に「大ヒット上映中」とポストし、現在もその文言がXタイムラインや公式サイトに表示されています。これに対し、SNS上ではシネマコンプレックスの予約画面の空席状況を撮影した画像が多数アップされるなど、かえって議論を加速させる形となっています。
結論
細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』は、SNSでの厳しい評価や低調な興行収入の出だしと、公式による「大ヒット上映中」という宣伝文句との間で大きな乖離が生じています。この状況は、現代の映画興行におけるSNSの影響力と、公式発表の受け止め方について一石を投じるものとなっています。今後の興行成績と世間の評価がどのように推移していくのか、注目が集まります。





