独身貴族の落とし穴?推し活満喫でも老後資金は大丈夫?年金15万円の現実と対策

人生を謳歌する独身貴族。趣味に没頭し、自由な時間を満喫する姿は羨望の的かもしれません。しかし、その裏には将来への不安が潜んでいることも。今回は、推し活に人生を捧げる53歳独身男性のケースを通して、年金と老後資金のリアルな問題、そしてその対策について考えてみましょう。

推し活に全集中!でも老後の備えは?

現代社会において、個人の生き方は多様化しています。2020年の国勢調査によると、50歳時の生涯未婚率は男性28.3%、女性17.8%と、未婚を選択する人が増えていることがわかります。未婚のメリットは、何と言っても自由な時間と使えるお金が多いこと。まさに「独身貴族」と言えるでしょう。

今回ご紹介する加藤さん(仮名・53歳)も、そんな独身貴族の一人。年収640万円の中小企業勤務で、長年「推し活」に情熱を注いできました。複数アイドルの熱烈なファンである彼は、コンサートやイベントに全国各地を飛び回り、グッズ購入にも惜しみません。「生きがい」と語る彼の年間支出は、旅費だけで100万円を超えることも。

コンサート会場でペンライトを振る観客コンサート会場でペンライトを振る観客

給料やボーナスはほぼ推し活に消え、貯金はほとんどありませんでした。「宵越しの金は持たない」主義の加藤さんは、将来の不安を感じながらも、「なんとかなるだろう」と楽観的に考えていたのです。

衝撃のねんきん定期便!月15万円で生活できる?

そんな加藤さんの意識を変えたのが、53歳の誕生月に届いた「ねんきん定期便」。これまで放置していたハガキを開封すると、そこには予想外の数字が記されていました。このまま働き続けた場合の年金見込み額は、月15万円程度。この金額では、家賃、光熱費、食費だけで精一杯。趣味を楽しむ余裕などありません。

「まさか、こんなに少ないとは…」。年収640万円で人並み以上に稼いでいると思っていた加藤さんは、大きなショックを受けました。ファイナンシャルプランナーの山田さん(仮名)も、「年金だけでゆとりある老後を送るのは難しいのが現状です。特に独身の方は、配偶者と助け合うことができないため、より綿密な資金計画が必要です」と指摘します。

老後破産を防ぐために!今からできる対策とは?

50代でこの現実に気づけたことは、加藤さんにとって不幸中の幸いでした。「手遅れにならなくてよかった」と安堵する彼は、老後資金作りに向けて動き始めました。資産運用について学び、推し活の費用を抑えながら、地道に貯蓄を始めたのです。

老後の生活資金を計画する女性老後の生活資金を計画する女性

「将来のお金」について考えることは、決して楽しいことではありません。しかし、早いうちから準備することで、心にゆとりが生まれます。独身だからこそ、自分の将来は自分で守る。加藤さんのように、今から行動を起こしてみませんか?