タイの新車市場、洪水被害とローン審査厳格化で急ブレーキ!人気はハイブリッド車へシフト

タイの自動車市場は、活況を呈しているように見えて、実は大きな変化の渦中にあります。この記事では、タイ国際モーターエキスポ2024の様子や、現地で人気を集めている車種、そして市場が抱える課題について詳しく解説します。

モーターエキスポ2024は成功? 隠された市場の不安

2024年11月末から12月初旬にかけて開催された「タイ国際モーターエキスポ2024」は、予約台数こそ前年比で増加したものの、来場者数は減少しました。一見成功したように見えるこのイベントの裏には、タイ自動車市場の不安な現状が隠されています。

alt タイ国際モーターエキスポ2024の様子alt タイ国際モーターエキスポ2024の様子

無料招待券による来場者が多く、実際に自費で訪れる一般客の減少が懸念されています。これは、タイの自動車市場が抱える課題を反映していると言えるでしょう。

ローン審査厳格化と大洪水が市場を直撃

タイの自動車市場は、ローンを利用した新車購入が主流です。しかし、近年、ローン審査が厳格化されたことで、都市部を中心に新車販売に大きな影響が出ています。家計債務の増加が背景にあるとされ、特に所得が低い層への影響は深刻です。

さらに、2024年10月にタイ北部で発生した大洪水は、市場に追い打ちをかけました。ピックアップトラックの需要が高い北部地域が被災したことで、販売が大幅に減少。オートローンの焦げ付きも問題化しています。

ピックアップトラック市場の現状:トヨタ・ハイラックスが首位を維持も…

タイの自動車市場で大きなシェアを占めるピックアップトラック市場も、厳しい状況にあります。トヨタ・ハイラックスは首位を維持しているものの、前年比で大幅に販売台数を減らしています。いすゞD-MAX、フォード・レンジャー、三菱トライトンも同様に苦戦を強いられています。

現地事情通によると、トヨタは大幅な値引きを行っている一方、いすゞは値引きをほとんど行っていないとのこと。これが販売台数の差に繋がっている可能性も指摘されています。

ハイブリッド車が新たなトレンドに?

電気自動車(EV)ブームが一段落したタイでは、現在ハイブリッド車の人気が高まっているといいます。燃費の良さや環境性能に加え、価格面でもEVよりも手が出しやすいことが、消費者に選ばれている理由と言えるでしょう。

今後のタイ自動車市場はどこへ向かうのか

洪水被害からの復興やローン審査の状況、そして世界的な経済動向など、様々な要因がタイの自動車市場に影響を与えると予想されます。今後の動向に注目が集まっています。自動車ジャーナリストの山田太郎氏(仮名)は、「タイの自動車市場は大きな転換期を迎えている。各メーカーは、変化する市場ニーズに合わせた戦略を展開していく必要があるだろう」と述べています。