長男は国政の鍵を握る政治家、三男は獣医師かつIT企業社長。エリートぞろいの玉木家において、詐欺にはしった怪しい次男の素顔を追った。
【写真】《被害届も受理》国民・玉木代表の実弟が再び金銭トラブル
前編記事『《被害届も受理》国民・玉木代表の実弟が再び金銭トラブル…エリート一家の「知られざる人間模様」』より続く。
軌道に乗らない仮想通貨ビジネス
なんとかビジネスで一旗あげようとしていたのか、秀樹氏が取締役としてかかわっていた会社はいくつもある。だがどれも軌道には乗らなかったようだ。
そして、仮想通貨ビジネスに手を染めるようになると、秀樹氏に怪しい噂が立つようになる。その極めつけが、’20年頃に勃発した「キングスコイン騒動」だ。
当時、キングスコインを発行する企業でCEOに就任していた秀樹氏が「キングスコインという仮想通貨が上場すれば価値が10倍になる」と宣伝。
数千人から10億円以上の資金を集めたとも言われている。だが、キングスコインは上場したものの大暴落。秀樹氏は逃げるように代表の座から退いた。そしてその後は、前述したようにさまざまなトラブルが絶えなくなった。
三男・栄三郎氏に秀樹氏が起こしたトラブルについて聞いてみると、重い口を開いた。
「兄は高校を卒業してから、少しずつ一般人の感覚からズレていったと感じています。大学を中退したあたりから両親も心配していましたね。何を目指しているのかサッパリわからない」
秀樹氏がキングスコイン騒動の渦中にいた時期は、栄三郎氏も巻き込まれていたという。
「彼の会社にいたPR担当の怪しい輩が『兄弟でかかわっていたら面白い』と、勝手に僕の写真をHPに使ったんです。風評被害ばかり受けているので、もうかかわりたくないです」
兄の雄一郎氏は「口頭で注意した」
秀樹氏と仕事で関わった人たちも同様に「二度と関わりたくない」と話していたのが印象的だった。かつて彼に出資したことのある関係者はこう語る。
「玉木の名前があるから彼のもとにはいろんな人間が集まってくるんです。なかには悪知恵を吹き込むヤツだっている。厄介なことにアイツは目立つのが好きなんで、すぐ神輿に乗ってしまう。結果的に失敗を積み重ねて、膨大な借金だけ残った。キングスコインの前から資金繰りには苦しんでいたと思いますよ。本人としては真っ当な仕事をしたかったはずだけど、もはや後戻りができない状況だね」
秀樹氏がウソを認めてから2ヵ月が経った今も、Aさんのもとにカネは戻っていない。
筆者は都内の弁護士事務所から出てくる秀樹氏に直撃した。―詐欺をしていますよね。
「詐欺はしていません」
―なぜ騙したのですか?
「…………」
いくら質問しても無言を貫き、逃げるようにタクシーに乗り込んで去っていった。