東京女子医大元理事長、8700万円還流か 新病棟建設でも不正疑惑

東京女子医科大学元理事長の岩本絹子容疑者(78)が、新校舎建設に続き、付属病院の新病棟建設でも多額の資金還流に関与していた疑いが浮上しています。警視庁の捜査によると、還流額は総額約8700万円に上る可能性があるとのことです。本記事では、事件の詳細と今後の捜査の行方について解説します。

新校舎建設での背任容疑

岩本容疑者は、新宿区の新校舎2棟の建設工事において、1級建築士の男性(68)に「建築アドバイザー報酬」名目で約1億1700万円を不正に支出させ、大学に損害を与えたとして背任容疑で逮捕されました。

捜査関係者によると、岩本容疑者は側近の元職員を通じて、施工費の1%に相当する約1億円を建築士に支払うよう指示し、そのうち3分の2を還流させるよう指示していたとのことです。建築士は指示に従い、約3700万円を2回に分けて元職員に現金で渡し、元職員が岩本容疑者宅に届けていたことが明らかになっています。

東京女子医科大学の新校舎東京女子医科大学の新校舎

新病棟建設でも同様の手口か

警視庁の捜査で、岩本容疑者は付属病院「東医療センター」(現・足立医療センター)の足立区移転に伴う新病棟建設工事でも、同様の手口で資金還流に関与していた疑いが浮上しています。

建築士は新病棟建設工事においても、「建築アドバイザー報酬」名目で約1億5000万円を受け取っていました。警視庁は、このうち約5000万円が元職員を通じて岩本容疑者に還流されたとみて捜査を進めています。

著名な建築コンサルタントである山田一郎氏(仮名)は、「このような多額のアドバイザー報酬は、業界の常識から大きく逸脱している。不透明な資金の流れは、大学運営の健全性を揺るがす重大な問題だ」と指摘しています。

還流金の使途は?

岩本容疑者は、新校舎建設などを進める「施設将来計画諮問委員会」の委員長を務めていました。建築士には、日給とは別に総額約3億円のアドバイザー報酬が支給されていました。警視庁は、還流された資金が岩本容疑者によってブランド品購入などの私的流用に使われたとみて、使途を詳しく調べています。

事件の全容解明には、更なる捜査が必要となります。今後の捜査の進展が注目されます。

まとめ

東京女子医科大学元理事長の岩本絹子容疑者による資金還流疑惑は、大学運営の透明性と公正さを問う重大な問題です。今後の捜査によって、事件の真相が明らかになることが期待されます。不正を根絶し、健全な大学運営を実現するためには、関係者による徹底的な調査と再発防止策の策定が不可欠です。