水道水だけじゃない!危険な化学物質PFASから身を守る食生活とは?

PFAS(ピーファス)という発がん性が懸念される化学物質が、全国の水道水から検出されているというニュースは、多くの人々に不安を与えています。水道水への対策はもちろん重要ですが、実は食品への影響も見逃せないのです。今回は、PFAS研究の第一人者である京都大学 原田浩二准教授(仮名)の著書『水が危ない!消えない化学物質「PFAS」から命を守る方法』(河出書房新社)を参考に、PFASの食品汚染の実態と、私たちがとるべき対策について詳しく解説します。

身の回りに潜むPFASの脅威とその行方

PFASは、私たちの生活に深く浸透しており、様々な製品に使用されています。フライパンのコーティングや洗剤、食品包装など、思いがけないところに潜んでいるのです。これらの製品から剥がれ落ちたPFASは、どこにいくのでしょうか?

水に溶けやすい性質を持つPFASは、河川や海に流れ込み、水環境を汚染します。広大な海では希釈されるため、川や湖に比べて濃度は低いものの、一部のPFASは生物に蓄積されることが分かっています。例えば、PFOSは水中の濃度と比較して、生物体内では1000倍以上の濃度で検出されることもあるのです。

魚の切り身魚の切り身

魚介類とPFAS:知っておきたいリスクと対策

魚介類は、PFASの蓄積が懸念される食品の一つです。魚は、口やエラからPFASを取り込み、体内に蓄積する可能性があります。そして、私たちがその魚を食べることで、PFASが体内に取り込まれてしまうのです。

DHAやEPAなど、魚に多く含まれる栄養素は、脳の機能や健康維持に不可欠です。しかし、これらの栄養素を多く含む魚を頻繁に食べる人ほど、体内のPFAS濃度が高いという研究結果も報告されています。つまり、魚介類はPFASの摂取経路の一つとなっている可能性があるのです。

魚の種類と産地:リスクを減らすための選択

では、魚介類を食べるのを完全にやめるべきなのでしょうか? 答えはNOです。魚介類は、良質なタンパク源であり、健康に良い食品です。重要なのは、PFASのリスクを理解し、適切な対策をとることです。

すべての魚が同じように汚染されているわけではありません。海魚は、広大な海でPFASが希釈されるため、リスクは比較的低いと考えられます。一方、河川魚は、生息する川が汚染されている場合、PFAS濃度が高くなるリスクがあります。産地情報を確認し、汚染が懸念される地域の魚介類は避けるようにしましょう。

食の安全を守るために:私たちができること

「食の安全を守る会」(仮称)代表の山田健太郎氏(仮名)は、「消費者が産地や生産方法に関心を持ち、企業に安全な食品を求めることが重要です。」と述べています。私たち一人ひとりが意識を高め、行動することで、より安全な食生活を実現できるはずです。

PFASは、私たちの生活に様々な影響を与える可能性のある化学物質です。正しい知識を身につけ、日々の食生活の中でできることから始めていきましょう。