NHK連続テレビ小説「おむすび」は、食を通して人と人との繋がりを描く心温まる物語。2025年1月17日放送の第75話では、阪神・淡路大震災から30年という節目の日に、東日本大震災への思いを繋ぐ感動的なシーンが描かれました。今回は、このエピソードに込められた制作陣の思いや、見逃せないポイントを深堀りしていきます。
震災を風化させない、ドラマの使命
「おむすび」第75話は、2012年の1月17日、主人公の結(橋本環奈)が管理栄養士を目指す決意を固める重要な回。同時に、阪神・淡路大震災の発生時刻に合わせて神戸で行われた黙祷、そして東日本大震災の発生時刻に神戸から東北へ捧げられた黙祷の様子が描かれ、大きな反響を呼びました。
alt="神戸で黙祷を捧げる人々"
制作統括の宇佐川隆史氏は、「震災の記憶を風化させないことが、ドラマの使命だと考えています。特に30年という節目の日に放送される第75話では、結が未来へ歩み出す姿と重ね合わせ、希望のメッセージを届けたいと思いました。」と語っています。
神戸と東北、二つの被災地を繋ぐ「黙祷の交換」
第75話で特に印象的だったのは、神戸と東北で同時刻に行われた「黙祷の交換」のシーン。これは実際に2012年に行われたもので、多くの視聴者の心を揺さぶりました。
ディレクターの真鍋斎氏は、「取材を通して初めて『黙祷の交換』の存在を知り、深く感銘を受けました。二つの被災地が互いを思いやり、支え合う姿は、まさに『おむすび』のテーマである『繋がり』を象徴していると感じました。」と振り返ります。
食を通して生まれる希望と勇気
「おむすび」では、食が人々に希望と勇気を与える様子が丁寧に描かれています。第75話でも、結は入院中に管理栄養士の西条(藤原紀香)の献身的なサポートを受け、食の持つ力を改めて実感します。そして、東日本大震災で被災した人々のために何かしたいという思いから、管理栄養士を目指すことを決意するのです。
料理研究家の小林薫先生(仮名)は、「食は単なる栄養摂取だけでなく、心のケアにも繋がります。『おむすび』のように、食を通して人々が繋がり、支え合う姿を描くことは、現代社会において非常に重要です。」と述べています。
未来への希望を握りしめて
「おむすび」第75話は、震災の記憶を風化させないだけでなく、未来への希望を力強く提示した回と言えるでしょう。結が新たな一歩を踏み出す姿は、私たちに勇気を与えてくれます。
阪神・淡路大震災から30年、そして東日本大震災から14年。私たちは過去の出来事を教訓に、未来を創造していく必要があります。「おむすび」は、そのためのヒントを与えてくれる、心温まるドラマです。