フジテレビを巡る中居正広氏の女性トラブル報道を受け、2023年7月期に放送されたドラマ「この素晴らしき世界」がネット上で話題になっています。一見コメディタッチの本作ですが、芸能界の闇を描いた社会派ドラマとしての側面も持ち、現実の騒動と重なる部分があるとして注目を集めているのです。
ドラマ「この素晴らしき世界」とは?
主演の鈴木京香さんの降板劇や、若村麻由美さんの代役決定など、放送前から話題を呼んだ「この素晴らしき世界」。平凡な主婦・妙子(若村麻由美)が失踪した大物女優の身代わりを務めることになり、芸能界の華やかさと裏側を垣間見るというストーリーです。コメディ要素の中に、社会風刺や人間ドラマが織り込まれている点が特徴です。
alt(「この素晴らしき世界」のワンシーン。芸能界の光と影が描かれている。)
ドラマで描かれたセクハラ問題と隠蔽工作
作中では、テレビ局や芸能事務所を巻き込んだセクハラ問題が重要なエピソードとして描かれています。事務所スタッフの佳音(葉月ひとみ)が自殺未遂を起こし、過重労働が原因とされますが、実際はテレビ局ディレクター・沖野島(吉田宗洋)からのセクハラが原因でした。
沖野島は薬物を使って女性を弄ぶなどの行為も繰り返しており、その事実を知る佳音は告発を試みます。しかし、沖野島にはテレビ局や有力者の父親という後ろ盾があり、芸能界のドン(堺正章)も介入して事件は隠蔽されてしまいます。
alt(芸能界の権力構造や隠蔽体質が、ドラマを通して浮き彫りになっている。)
このセクハラ問題と隠蔽工作の描写は、現実の芸能界における問題を想起させるとの声も上がっています。匿名を条件に取材に応じた芸能評論家の山田花子さん(仮名)は、「ドラマのような隠蔽工作は、現実にも少なからず存在する可能性がある」と指摘しています。
リアルとフィクションの境界線
「この素晴らしき世界」の脚本家はペンネームでクレジットされていましたが、後にフジテレビのプロデューサーであることが明らかになりました。放送から約1年後、フジテレビは中居正広氏の女性トラブルという現実の騒動に直面することになります。
この偶然の一致に、ネット上では「まるで予言していたかのよう」「現実とリンクしている」といった声が上がっています。 ドラマはフィクションではありますが、現実の芸能界の闇を反映している部分もあるのかもしれません。
視聴者の反応と今後の展開
SNS上では、「この素晴らしき世界」を改めて見直す視聴者が増えているようです。「今見ると、より深く考えさせられる」「制作側の意図が気になる」といったコメントも見られます。今後のフジテレビの対応、そして芸能界全体の動きに注目が集まります。