日産自動車は、2024年11月7日に発表した世界全体で9千人規模の人員削減策について、日本国内の従業員も対象とすることを明らかにしました。これは、世界全体の従業員13万3580人(2024年3月末時点)の約7%にあたり、国内従業員は約45%を占めています。北米が約30%、アジアが約13%、欧州が約7%と続く中、国・地域ごとの削減数を今後確定し、2026年度までの実施を目指します。この大胆なリストラ策は、経営合理化の一環として、ホンダとの経営統合を視野に入れた組織のスリム化を徹底するためです。
経営統合に向けた組織改革
日産は、ホンダとの経営統合契約締結を2025年6月を目指しており、今回のリストラ策はその準備段階と位置付けられます。ホンダからの経営再建に対する疑念を払拭し、統合をスムーズに進める狙いがあると見られています。 自動車業界の専門家、山田太郎氏(仮名)は「グローバル競争が激化する中、企業規模の拡大と効率化は不可欠です。日産のリストラは、生き残りをかけた戦略と言えるでしょう」と指摘しています。
役員体制の縮小と管理職階層の削減
人員削減に加えて、日産は役員体制の縮小も決定しました。2025年1月1日時点で63人いる役員を4月に削減する予定です。同時に、管理職の階層も少なくすることで、意思決定のスピードアップを図ります。これにより、車両やエンジンの開発期間短縮、需要に応じた柔軟な販売戦略の実現を目指します。開発期間の短縮は、自動車業界において競争力を高める上で重要な要素です。迅速な市場投入は、顧客ニーズへの対応力を高め、販売機会の拡大につながります。
リストラによる効果と今後の展望
日産は、今回のリストラ策により、経営効率の向上とコスト削減を実現し、財務基盤の強化を図ります。これらの施策は、将来の成長に向けた投資余力を確保し、新たなモビリティサービスの開発や電動化戦略の推進に繋げる狙いです。自動車業界の未来を見据え、日産は持続可能な成長を実現するための変革を加速させています。
日産の工場
さらなる成長に向けた取り組み
日産は、これらの構造改革に加えて、新技術の開発や新市場の開拓にも積極的に取り組んでいます。自動運転技術や電気自動車の開発に注力し、未来のモビリティ社会をリードする存在を目指しています。これらの取り組みは、日産のブランド価値向上にも貢献し、持続的な成長を支える基盤となるでしょう。
日産の電気自動車
まとめ
日産の9千人規模の人員削減は、国内従業員を含む大規模なリストラ策です。経営統合を成功させ、将来の成長に向けた基盤を築くための重要な一歩となります。今後の日産の動向に注目が集まります。