認知症予防の7つの秘訣:専門医が解説する脳を守る生活習慣

認知症は、誰もが不安を抱える病気の一つです。記憶が曖昧になったり、判断力が低下したりするだけでなく、日常生活にも大きな影響を及ぼします。しかし、認知症は予防できる可能性があることをご存知でしょうか?この記事では、名古屋市立大学医学部教授の松川則之先生の見解を参考に、認知症のメカニズムと効果的な予防法を分かりやすく解説します。

認知症とは?脳の働きと情報処理のメカニズム

私たちの脳は、五感を通して得た情報を処理し、適切な行動へと繋げる司令塔です。この情報処理能力こそが「認知」であり、認知症は、この認知機能が低下してしまう病気です。脳の神経細胞は、電気信号をやり取りすることで情報を伝達していますが、認知症になるとこの伝達システムに異常が生じます。

脳の神経細胞が電気信号を出している様子脳の神経細胞が電気信号を出している様子

加齢とともに蓄積する傷ついたタンパク質

若い頃は、細胞内のタンパク質が傷ついても修復されますが、加齢とともにこの修復機能が低下し、傷ついたタンパク質が脳内に蓄積しやすくなります。この蓄積が神経細胞間の情報伝達を阻害し、認知機能の低下に繋がります。

脳の構造と認知症の関係脳の構造と認知症の関係

アルツハイマー病と異常タンパク質の関係

アルツハイマー病は、認知症の中で最も一般的なタイプです。この病気には、「アミロイドβ」と「異常リン酸化タウ」という2種類の異常タンパク質が深く関わっています。アミロイドβは細胞間に、異常リン酸化タウは細胞内に蓄積し、神経細胞の死滅を引き起こします。

アルツハイマー病における異常タンパク質の蓄積アルツハイマー病における異常タンパク質の蓄積

軽度認知障害(MCI)というグレーゾーン

「認知症」と「健康」の間には「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれるグレーゾーンが存在します。MCIは認知機能の低下が見られるものの、日常生活への影響は軽微な状態です。早期発見と適切な対策が、認知症への進行を防ぐ鍵となります。

認知症予防のための7つの秘訣

具体的な予防策については、次回の記事で詳しく解説します。栄養バランスの良い食事、適度な運動、質の高い睡眠、そして知的活動など、日常生活における具体的な取り組みを通じて、認知症リスクを低減できる可能性があります。

健やかな脳を保つために

認知症は、決して避けられない運命ではありません。日々の生活習慣を改善することで、脳の健康を維持し、認知症リスクを低減できる可能性があります。この記事が、皆様の健康管理の一助となれば幸いです。