日本の財政健全化目標に暗雲が立ち込めています。政府は2025年度のプライマリーバランス(PB)黒字化を目標に掲げていましたが、最新の試算では一転、約4.5兆円の赤字となる見通しです。
経済対策で歳出膨張、PB黒字化目標に黄信号
2024年7月の試算では8000億円程度の黒字化が見込まれていましたが、経済対策による歳出の増加が響き、赤字幅が大きく拡大しました。政府が17日に開催した経済財政諮問会議で公表されたこの試算は、財政健全化への道のりの険しさを改めて示すものとなりました。 家計簿と同じように、国家財政も収入と支出のバランスが重要です。PBは、国債発行による借金を除いた歳入と歳出の差額を示す指標であり、財政健全度のバロメーターとして用いられます。
PB赤字イメージ
潜在成長率向上と歳出・歳入改革が鍵
首相は会議で「早期の黒字化実現に向け、潜在成長率の引き上げに重点を置いた政策運営に取り組む」と強調。歳出・歳入両面からの改革を継続し、「財政健全化の旗を降ろすことはない」と明言しました。潜在成長率は、労働力や資本、技術革新などによって経済が持続的に成長できる力を示します。この成長力を高めることが、税収増につながり、財政健全化への道筋を開く鍵となります。
専門家の見解:持続可能な財政運営への転換が必要
経済学者の山田太郎氏(仮名)は、「今回の試算は、これまでの財政運営の見直しを迫るものだ」と指摘。「一時的な経済対策に頼るのではなく、持続可能な経済成長と財政健全化を両立させる戦略が必要だ」と提言しています。歳出削減と歳入増加のバランスを取りながら、中長期的な視点で財政運営を行うことが求められています。
歳出歳入バランス
今後の課題:歳出改革と成長戦略の両輪で健全化を目指す
歳出改革においては、社会保障費の増加抑制や無駄な支出の見直しなどが課題となります。同時に、成長戦略を推進し、経済の活性化を図ることも重要です。 日本経済の未来を左右する財政問題。政府は、歳出改革と成長戦略の両輪で健全化を目指し、国民への説明責任を果たしていく必要があります。