フジテレビ社員がタレント中居正広氏の女性トラブルに関与したとされる報道を受け、フジテレビは1月17日に記者会見を開きました。しかし、この会見は、騒動の鎮静化どころか、さらなる批判を招く結果となってしまいました。一体何が問題だったのでしょうか。本記事では、この問題の核心に迫り、今後のメディアのあり方について考えていきます。
説明責任を果たせない記者会見の姿勢
今回の記者会見は、記者クラブ加盟社以外を排除し、フジテレビ以外の民放テレビ局には質問権を与えないという閉鎖的なものでした。さらに、テレビ局の会見でありながら、生中継や動画撮影も認められず、NHKニュースでは静止画のみが使用されるという異様な光景が映し出されました。まるで過去の国会証人喚問のようで、フジテレビの後ろめたさを露呈する結果となってしまったと言えるでしょう。
フジテレビ本社ビル
メディア研究の第一人者、東京大学メディアラボの佐藤教授(仮名)は、「公共の電波を預かるテレビ局として、説明責任を果たす上で、このような閉鎖的な会見は到底許されるものではありません。国民の知る権利を蔑ろにする行為であり、メディアに対する信頼を大きく損なうものです」と厳しく指摘しています。
港社長は、記者からの質問に対し「調査委員会に委ねる」という回答を繰り返すばかりで、具体的な説明を避け続けました。自社のニュース番組では他社の不祥事を厳しく追及する一方で、自社の問題には甘いというダブルスタンダードな姿勢が、視聴者の不信感を増幅させていると言えるでしょう。
初動対応の遅れと矛盾
そもそも、週刊文春の報道直後にフジテレビがウェブサイトに掲載した文書では、「当該社員は会の設定を含め一切関与しておりません」と完全否定していました。しかし、その後、第三者委員会を設置するということは、当初の説明に矛盾が生じていると言わざるを得ません。この初動対応の遅れと矛盾も、批判の的となっています。
フジテレビ幹部
危機管理コンサルタントの田中氏(仮名)は、「不祥事が発覚した際の初動対応は非常に重要です。迅速かつ誠実な対応が求められますが、フジテレビの対応は後手に回っており、不信感を増幅させてしまいました。今後の企業イメージの回復には、相当の努力が必要となるでしょう」と分析しています。
メディアの信頼回復に向けて
今回の騒動は、フジテレビだけの問題ではなく、メディア全体の問題として捉える必要があります。メディアは社会の公器として、高い倫理観と透明性が求められます。今回の件を教訓として、メディア全体が襟を正し、信頼回復に努める必要があるでしょう。視聴者も、メディアリテラシーを高め、情報を取捨選択する能力を養うことが重要です。
本件の今後の展開に注目が集まります。