就任を控えるトランプ次期米大統領が、デンマーク領グリーンランドとパナマ運河の支配を目指す意向を表明し、国際社会に波紋が広がっています。軍事圧力も辞さない姿勢を示すトランプ氏の真意はどこにあるのでしょうか?今後の国際情勢への影響も懸念されます。
グリーンランド領有の野望とデンマークの反発
トランプ氏は7日の記者会見で、グリーンランド領有への意欲を改めて表明し、軍事・経済両面での圧力を示唆しました。「経済安全保障のため」と主張するトランプ氏ですが、同盟国であるデンマークは強く反発しています。
トランプ次期米大統領とデンマークのフレデリクセン首相
北大西洋条約機構(NATO)の同盟国であるデンマークにとって、グリーンランドには米軍基地も存在し、安全保障上の重要拠点となっています。フレデリクセン首相はトランプ氏との電話会談で売却を拒否し、「深刻な状況」と懸念を表明しています。国際政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「同盟国への圧力は、国際秩序の安定を揺るがす可能性がある」と指摘しています。
パナマ運河支配への思惑とパナマの反発
トランプ氏はパナマ運河についても「中国人が支配している」と主張し、支配権獲得への意欲を示しています。しかし、パナマのムリノ大統領は「パナマ人以外の誰のものでもない」と反発しています。
フレデリクセン首相同様、ムリノ大統領も米国の同盟国であり、不法移民対策などで協力関係にあります。それにもかかわらず、トランプ氏がこのような発言をする背景には、中国の影響力拡大への警戒感があるとの見方もあります。国際経済ジャーナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「米中対立の激化が、中南米地域にも影響を及ぼし始めている」と分析しています。
米国民の反応と今後の国際情勢への影響
米国民の間では、グリーンランド領有やパナマ運河支配に対する賛否は二分している状況です。ウォルツ次期大統領補佐官は、西半球への敵対勢力の侵入を阻止する必要性を強調する一方で、トランプ氏の長男ドナルド・ジュニア氏と共にグリーンランドを訪問した政治活動家チャールズ・カーク氏は、鉱物資源の独占などを理由にグリーンランドを「米国の51番目の州にするべき」と主張しています。
ニューヨーク・タイムズ紙は、軍事力を背景にした領土拡大の表明は、中国の台湾進攻を正当化する口実を与える可能性があると指摘しています。トランプ氏の真意は不明ですが、今回の発言は国際社会に大きな波紋を広げ、今後の国際情勢に影響を与える可能性があります。
まとめ
トランプ次期大統領のグリーンランド領有とパナマ運河支配への意欲表明は、デンマーク、パナマ両国からの反発を招き、国際情勢への影響も懸念されています。今後の動向に注目が集まっています。