日本の言論界を牽引する保守系雑誌「WiLL」と「Hanada」。その誌面は時に「右翼的」と評され、賛否両論を巻き起こしています。しかし、なぜこれほどまでに多くの読者を惹きつけるのでしょうか?本記事では、元編集部員である梶原麻衣子氏の著書『「“右翼”雑誌」の舞台裏』(星海社新書)を参考に、その魅力の秘密に迫ります。
保守を貫く編集長、花田紀凱氏
「週刊文春」「マルコポーロ」など、数々の名誌を手がけてきた花田紀凱氏。彼が率いる「WiLL」と「Hanada」は、保守的な論調で知られています。1987年の安倍晋三元首相と昭恵夫人の結婚式の写真からも、当時から政界との深い繋がりを伺うことができます。
安倍晋三元首相と昭恵夫人の結婚式の写真
右翼雑誌?編集部員の実態
梶原氏は、IT企業勤務を経て「WiLL」編集部に転職。当時、編集部は花田氏を含めわずか4人という少人数体制でした。驚くべきことに、梶原氏以外の編集部員は必ずしも右翼的な思想を持っていなかったといいます。花田氏自身も「ちょっと右寄り」と冗談めかして語る程度。誌面にはリベラルな論調の記事や左派論客の寄稿も掲載されており、多様な視点を提供しています。
編集部員梶原氏の視点
一方で、花田氏から「右翼少女」と呼ばれた梶原氏自身は、保守・右派的な思想を持っていました。彼女にとって、「WiLL」「Hanada」で働くことは、まさに天職だったと言えるでしょう。自分の思想信条と雑誌の編集方針が一致していたことが、梶原氏の情熱的な仕事ぶりを支えていたのです。
「WiLL」誕生秘話
「WiLL」は2005年1月号で創刊。梶原氏は創刊から間もない第4号から愛読者となり、後に花田氏が主宰する「編集者の学校」を受講。そこで頭角を現し、編集部に抜擢されるという異色の経歴を持っています。
多様な視点と深い洞察
「WiLL」と「Hanada」は、単なる右翼雑誌というレッテルでは片付けられない奥深さを秘めています。保守的な視点を中心としながらも、多様な意見を掲載し、読者に深い洞察を提供しています。そのことが、多くの読者を惹きつける理由の一つと言えるでしょう。例えば、梶原氏が執筆した「日本を取り巻く『ドラえもん』の世界」という記事は、国民的アニメを通して日本の社会問題を考察するユニークな視点が話題を呼びました。
読者を引き込む編集力
「WiLL」と「Hanada」が多くの読者から支持される背景には、花田氏の卓越した編集力があります。読者の心を掴むテーマ設定、鋭い切り口の記事、そして個性豊かな執筆陣。これらが相まって、他に類を見ない魅力的な雑誌を作り上げているのです。日本の食文化研究家の山田太郎氏(仮名)は、「花田氏の編集は、まるで一流シェフの料理のよう。素材の持ち味を最大限に引き出し、読者の知的好奇心を刺激する」と高く評価しています。
まとめ
「WiLL」「Hanada」は、保守的な論調を貫きながらも、多様な視点を提供する雑誌です。その独特な編集方針と、読者を引き込む魅力的なコンテンツが、多くの読者から支持される理由と言えるでしょう。