日産復活の鍵は「シーマ」にあり?新型シーマへの期待と日産再建への道

日産自動車は2024年度上期決算で大幅な営業利益減を発表し、経営再建に向けた様々な施策を打ち出しています。生産能力や人員削減といった厳しい現実の中で、日産の未来を照らす光となるのは、かつてのフラッグシップモデル「シーマ」の復活ではないでしょうか。この記事では、新型シーマへの期待と、日産再建への道筋について考察します。

衰退する日産、復活の狼煙を上げるには?

2024年度上期決算で、日産は前年同期比約90%もの営業利益減という衝撃的な数字を公表しました。その対策として、グローバルで20%の生産能力削減、9000人の人員削減、三菱自動車株の一部売却、役員体制の再編など、抜本的な改革に乗り出しています。

日産の初代シーマ日産の初代シーマ

確かに、これらの施策は喫緊の課題への対応としては重要です。しかし、ユーザー目線で考えると、物足りなさを感じるのは否めません。SUVラインナップの拡充、コンパクトミニバンの投入、ラージサイズミニバンの強化など、求められる改善点は多岐に渡ります。しかし、日産が真に復活を遂げるためには、まずフラッグシップモデル「シーマ」の復活こそが、その第一歩となるべきではないでしょうか。

伝説のシーマ、その輝きを再び

1988年にセドリック/グロリアの上級仕様として登場した初代シーマは、高額車にもかかわらず「シーマ現象」と呼ばれるほどの爆発的なヒットを記録しました。バブル景気を象徴する車として、一世を風靡したのです。その後、1991年に2代目へとモデルチェンジしましたが、景気の減退と共に販売台数は減少の一途を辿り、2022年に5代目をもって生産終了となりました。

現在、日産のフラッグシップは「GT-R」が担っていますが、自動車ジャーナリストの山田一郎氏(仮名)は、「GT-Rはスポーツカーとしての地位を確立しているが、高級セダンとしてのフラッグシップは依然として空席だ」と指摘します。まさに、シーマの復活こそが、日産ブランドの再興を象徴するものとなるでしょう。

セカンドリバイバルプラン:シーマを羅針盤に

日産は1990年代末の経営危機において「日産リバイバルプラン」を策定し、V字回復を遂げました。そして今、再び岐路に立たされている日産に必要なのは、「セカンドリバイバルプラン」です。

初代シーマの内装初代シーマの内装

私の考える「セカンドリバイバルプラン」の核となるのは、3年後の新型シーマ復活宣言です。これを羅針盤として、現行ラインナップに不足している量販車種(日本であればガソリン小型車、北米であればハイブリッド車)を拡充し、盤石な販売体制を構築していくのです。

そして、高級車ブランド「インフィニティ」を展開する北米市場では、新型シーマをベースとした最高級モデルを同時に投入することで、ブランドイメージの向上を図るべきです。

新型シーマへの期待:高級セダンの新時代を切り開く

新型シーマには、先進技術とラグジュアリーな快適性を兼ね備えた、まさに日産の技術力の粋を集めたモデルとなることが期待されます。電動化技術の導入や自動運転技術の搭載など、未来を見据えた革新的な機能が搭載される可能性も高く、世界中の自動車ファンから注目を集めることは間違いありません。

新型シーマの復活は、単なる新型車の投入にとどまらず、日産のブランドイメージ向上、ひいては日本自動車産業全体の活性化にも繋がる重要な一歩となるでしょう。日産の未来、そして日本の自動車産業の未来は、新型シーマにかかっていると言っても過言ではありません。