キャベツの価格高騰が続いているというニュースを目にしない日はありません。一体なぜこんなにもキャベツが高くなってしまったのでしょうか?この記事では、キャベツ農家の視点から価格高騰の現状、そしてその中で見つけた「キャベツチャンス」について迫ります。
キャベツ不足の実態:飲食店や消費者の声
とんかつ店「とんかつ鉄」の店主、武田幹朗さんは、キャベツの高騰を実感しつつも、「買わないわけにはいかない」と苦しい胸の内を明かしています。同店ではフードロス削減のため、食べ残しを減らす呼びかけを行っており、お客さんの協力も得られているとのこと。しかし、高騰するキャベツを前に、消費者の戸惑いも感じられます。
代替テキスト:キャベツの千切りが添えられたトンカツ定食
アフロきゃべつ農家の挑戦:異常気象と産地リレーの崩壊
千葉県銚子市でアフロヘアーがトレードマークのキャベツ農家、坂尾英彦さんは、代々続く農家を継ぎ、広大な畑で「アフロきゃべつ」を栽培しています。潮風育ちのアフロきゃべつは、強い甘みが特徴で、多くの人に愛されています。しかし、今年は例年の10分の1という収穫量の少なさに頭を悩ませています。
代替テキスト:アフロヘアのキャベツ農家、坂尾さんがキャベツ畑で収穫作業をしている様子
その原因は、異常気象。苗を植えた直後からの大雨、そしてその後の乾燥により、キャベツの生育が阻害されたといいます。 通常、日本では産地リレーによって年間を通して安定供給を実現しています。しかし、銚子産の不作がリレーシステムを崩し、供給不足に陥っているのです。
代替テキスト:日本地図上にキャベツの産地リレーを示した図
さらに、箱代や肥料代の高騰も農家を苦しめています。生産コストは上昇する一方、売値は不安定。このままでは農業を続けるのが難しいと、坂尾さんは嘆きます。
キャベツチャンス到来?!:アフロきゃべつの新たな可能性
厳しい状況下でも、坂尾さんは前向きに行動しています。自ら収穫したアフロきゃべつを地元のベーカリーに持ち込み、新感覚のパンを開発・販売するなど、新たな販路開拓にも積極的です。
野菜ソムリエの田中美咲さん(仮名)は、「アフロきゃべつの甘みは、パンとの相性も抜群。消費者に新たなキャベツの魅力を伝える良い機会になるでしょう」と期待を寄せています。
坂尾さんは、この逆境を「キャベツチャンス」と捉え、「アフロきゃべつをきっかけに、農業体験などを通して人と人との繋がりを広げたい」と語っています。
キャベツの未来:持続可能な農業を目指して
キャベツの高騰は、私たちに食料生産の脆弱さを突きつけました。異常気象への対策、安定供給の仕組みづくり、そして生産者の努力への理解と協力。キャベツの未来を守るためには、消費者、生産者、そして流通業者が一体となって、持続可能な農業を目指していく必要があるでしょう。