コンプライアンス違反倒産、2024年は過去最多の388件!その背景と今後の展望

2024年は、企業にとってコンプライアンス遵守の重要性が改めて問われた一年となりました。帝国データバンクの調査によると、コンプライアンス違反を原因とする倒産件数が過去最多を記録。jp24h.comでは、その詳細なデータと今後の動向を分析し、企業経営におけるコンプライアンスの重要性について解説します。

2024年のコンプライアンス違反倒産、3年連続で増加し過去最多を更新

2024年のコンプライアンス違反倒産件数推移2024年のコンプライアンス違反倒産件数推移

2024年のコンプライアンス違反倒産は、前年比10.5%増の388件と、3年連続で増加し、過去最多を更新しました。これは、倒産全体の約4%に相当します。2025年に入っても増加傾向は続いており、企業経営におけるコンプライアンスリスクの高まりが鮮明になっています。 サービス業、建設業、小売業といった業種で特に多く発生しており、業種を問わずコンプライアンス意識の向上が急務となっています。

サービス業が最多!業種別に見るコンプライアンス違反の実態

2024年の業種別コンプライアンス違反倒産件数2024年の業種別コンプライアンス違反倒産件数

サービス業におけるコンプライアンス違反倒産は122件と最多で、全体の約3割を占めています。中でも、広告・調査・情報サービス業や運輸業、その他のサービス業が目立ちます。「顧客第一」の精神が求められるサービス業において、コンプライアンス違反は顧客の信頼を失墜させ、事業継続を困難にする大きな要因となります。 建設業では68件、小売業では54件と、これらの業種でもコンプライアンス違反が深刻な問題となっています。

粉飾決算が最多!違反類型別に見るコンプライアンス違反の傾向

2019年からの違反類型別コンプライアンス違反倒産件数推移2019年からの違反類型別コンプライアンス違反倒産件数推移

コンプライアンス違反の類型別では、粉飾決算が95件と最多で、過去最多を更新しました。ゼロゼロ融資などの支援策の影響で、一時的に粉飾決算が表面化しにくい状況でしたが、返済期限到来とともに問題が顕在化していると考えられます。 企業経営コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「粉飾決算は企業の信頼を根底から揺るがし、取り返しのつかない事態を招く。健全な財務体質の構築と透明性の確保が不可欠だ」と指摘しています。 業法違反も72件と多く、運輸業における行政処分による問題の表面化が目立ちます。資金使途不正や補助金の不正受給も増加しており、企業倫理の徹底が求められています。

コンプライアンス違反は企業の存続を脅かす重大なリスク

2024年の主な粉飾決算による倒産事例2024年の主な粉飾決算による倒産事例

コンプライアンス違反は、企業の信用失墜、取引停止、訴訟など、企業の存続を脅かす深刻な事態を招きます。ビッグモーターの事例は、コンプライアンス違反がいかに大きな代償を伴うかを示す象徴的な出来事となりました。 企業は、コンプライアンスを単なる法令遵守ではなく、企業文化として根付かせる必要があります。倫理的な企業活動を通じて、ステークホルダーからの信頼を獲得し、持続可能な成長を実現していくことが重要です。