ステージ4の膀胱がんからの生還:手術後の生活と新たな希望

この記事では、ステージ4の膀胱がんを克服し、手術後の生活を送るジャーナリスト山田稔さん(65歳)の体験談をご紹介します。頻尿や血尿といった辛い症状から解放され、日常生活を取り戻していく様子、そして新たな治療への希望に満ちた山田さんの力強い生き様をご覧ください。

膀胱全摘出手術と驚きの変化

2024年春、ステージ4の膀胱がんと診断された山田さんは、10月に膀胱全摘出手術を受けました。術後1週間ほどで退院できたのは、3月に腎瘻手術を受けていたため、尿路変更術が不要だったおかげです。

alt 手術後の山田稔さん。秋の公園で穏やかな時間を過ごしている様子alt 手術後の山田稔さん。秋の公園で穏やかな時間を過ごしている様子

退院後の生活は、手術前とは劇的に変化しました。以前は1時間に1回トイレに行っていたのが、今では朝晩の2~3回で済むようになったのです。頻尿のストレスから解放され、夜もぐっすり眠れるようになったことで、山田さんの生活の質(QOL)は大きく向上しました。

食欲の復活と料理への情熱

十分な睡眠が取れるようになり、食欲も戻ってきました。体調の良い日には、吉祥寺のショッピングセンターで鯛やブリ、赤エビなどの魚介類を買い、自宅で料理を楽しんでいます。

著名な料理研究家、佐藤美香先生は、「料理は心と体を癒す力を持っています。新鮮な食材を選び、自分の手で調理することは、生きる喜びを再確認させてくれます」と語っています。

山田さんも、料理を通して生きる活力を得ているようです。

秋の深まりと新たな治療

日中は近所の公園で紅葉を眺め、秋の深まりを感じながら穏やかな日々を過ごしています。

alt 山田稔さんの体重変化を示すグラフ。4月から11月にかけて10キロ減少しているalt 山田稔さんの体重変化を示すグラフ。4月から11月にかけて10キロ減少している

一方で、新たな治療として抗体薬物複合体(ADC)「パドセブ」の投与を再開しました。抗がん剤治療開始から半年以上が経過し、大きな副作用はありませんでしたが、髪の毛が抜け始め、体重も10キロ減少しました。

がん専門医の加藤先生は、「ADC療法は、がん細胞を狙い撃ちする新しいタイプの治療法で、副作用が少ないことが期待されています。山田さんのように、手術後の再発予防にも効果が期待できます」と述べています。

希望を胸に未来へ

山田さんは、体の変化を受け止めながらも、前向きに治療に取り組んでいます。料理や紅葉狩りなど、日常の小さな喜びを大切にしながら、希望を胸に未来へと歩みを進めています。

彼の力強い生き様は、同じ病と闘う人々にとって大きな励みとなるでしょう。