ロシアに兵士派遣の北朝鮮 “後ろ盾”中国との間にはすきま風? 外交関係に翻弄される国境ゴーストタウンの実態


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■中国側から撮影 マイナス10度のなか夜も続く突貫工事 金正恩総書記も訪れた北朝鮮の高層住宅群「竣工式」前日の様子は? 

中国・遼寧省にある丹東。鴨緑江の対岸に北朝鮮を望むことができる「国境の街」だ。去年12月中旬、取材班は丹東に入った。まず向かったのは丹東の中心街である。この一帯は去年7月下旬に洪水が発生し、北朝鮮メディアによると、一時およそ5000人の住民が孤立、4000戸以上の家屋が浸水したという。金正恩総書記は被災地を視察し被害を受けた住宅の再建を指示。「再建には少なくとも2、3か月はかかる」としてお年寄りや子どもなど合わせて1万3000人あまりを首都・平壌に避難させた。その後、被災地には復旧作業を志願したとされる若者たち「青年突撃隊」や軍が投入され、住宅の建設が急ピッチで進められた。 

洪水発生からおよそ5か月が経った12月21日には住宅の竣工式が行われた。北朝鮮メディアによると、金正恩総書記も出席し演説を行った。金総書記は「この竣工式は我々の社会主義の偉業がどんな難関も克服し引き続き前進していることを示す重大な契機になる」などと述べ、成果を強調した。一方、「被災者と約束した期日を延長し、工事の完了が寒い年末になってしまったのは本当にすまなかった」などと謝罪する場面もあったという。

取材班は竣工式前日の高層住宅群の様子を中国の丹東側から撮影した。そこにはヘルメットをかぶった大勢の作業員や高層住宅の屋根に登って作業をする人たちの様子がうつっていた。竣工式前日になっても突貫工事が続いていたようだ。建物を磨いているとみられる大勢の作業員もカメラは捉えた。式典の準備をしていたものとみられる。住宅街には「診療所」と書かれた看板が掲げられた建物のほか、「我々の時代を生きて行こう」などといったスローガンが書かれた立派な標識も確認された。作業は夜になっても続いた。この日、丹東の最低気温はマイナス10度ほどで取材班も震えながら撮影を続けた。突貫工事が過酷な環境のなか行われていることは想像に難くなかった。



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