高齢化社会の日本で、認知症は大きな社会問題となっています。厚生労働省の研究班によると、2022年の認知症高齢者数は約440万人。2040年には584万人、高齢者の15%に達すると予測されています。自分や家族に認知症の疑いが出た時、不安や戸惑いを感じるのは当然のこと。一体どこに相談すれば良いのでしょうか?この記事では、認知症の専門医の視点から、安心して相談できる窓口や受診のポイントを分かりやすく解説します。
認知症かも?と思ったら、まずどこに相談?
「もしかして認知症…?」と不安を感じたら、一人で悩まずに相談することが大切です。まずは、気軽に相談できる窓口を知っておきましょう。
認知症疾患医療センター
全国各地に設置されている「認知症疾患医療センター」は、認知症の専門医療機関です。都道府県や政令指定都市が指定した病院に設置されており、医療相談や診察、検査などを受けることができます。専門医による的確な診断と、今後のケアプランの提案を受けることができますので、まずはここから相談してみるのがおすすめです。
認知症疾患医療センターのイメージ
地域包括支援センター
お住まいの地域にある「地域包括支援センター」も、頼りになる相談窓口です。高齢者の生活に関する様々な相談に対応しており、認知症の初期症状についても相談できます。「認知症初期集中支援チーム」など、専門の支援チームと連携しているため、適切な医療機関や介護サービスの紹介を受けることができます。
認知症の診療は何科?
認知症の診療は、どの診療科を受診すれば良いのでしょうか?実は、これが意外と難しい問題です。
精神科医の役割
私は精神科の専門医であり、認知症の専門医でもあります。しかし、精神科が扱う病気や症状は多岐にわたり、すべての精神科医が認知症の診療に精通しているわけではありません。
専門医を探すには?
認知症の診療経験が豊富で、患者さんに寄り添ってくれる医師を探すのは容易ではありません。だからこそ、「認知症疾患医療センター」や「地域包括支援センター」のような専門機関の活用が重要になります。これらの機関は、地域で認知症診療を行う適切な医療機関の情報を持っていますので、安心して相談することができます。
専門家の声 (例:山田太郎医師 – 東京都立認知症医療センター)
「認知症の早期発見・早期治療は、症状の進行を遅らせるために非常に重要です。少しでも不安を感じたら、一人で悩まずに専門機関に相談しましょう。私たちは、患者さんとご家族が安心して生活を送れるよう、全力でサポートします。」
まとめ
認知症は早期発見・早期対応が重要です。この記事で紹介した相談窓口や受診のポイントを参考に、安心して専門医の診断を受けてください。早期に適切な治療やケアを受けることで、症状の進行を遅らせ、より良い生活を送ることができます。