中居正広さんの“女性トラブル”をめぐる一連の問題で、『第三者委員会』の設置を決めたフジテレビ。今回の対応には、“物言う株主”である米投資ファンドが影響を与えたとみられています。
そもそも、物言う株主とは何なのか?株主にはどのような権利がある?そして、フジテレビの今後は…。経営コンサルタント・小宮一慶氏の見解などをまとめました。
「憤りを禁じ得ない」米投資ファンドがフジを厳しく非難
中居さんをめぐる一連の問題で、フジテレビを批判した米投資ファンドのダルトン・インベストメンツ。“物言う株主”と言われています。物言う株主とは、“積極的に提案を行い、企業に影響を与えようとする株主”を指す言葉で、「投資ファンドは基本的に物を言います」と経営コンサルタント・小宮一慶氏は指摘します。
投資ファンドとは「投資家から預かったお金を投資・運用する」仕組みで、投資先の企業が問題を抱えている場合、物を言うのは自然なことです。というのも、ファンドは投資家たちに対し『説明責任』を負っていて、この責任を果たさないと、投資家がファンドからお金を引き上げたり、ファンドを訴えたりする可能性があるためです。
フジ・メディアHDの株式を7%以上保有するダルトン・インベストメンツ。今回、フジテレビ側に『2通の書簡』を送り、フジテレビ・港浩一社長の会見を受けて出された2通目は、特に厳しい言い回しで非難しています。
【ダルトン側からフジテレビ側への書簡の内容(※ダルトンのHPより抜粋)】
『港浩一社長の記者会見は、バーチャルな車の衝突事故と言うべきものでした。今回のような危機をどのように処理すべきでないかを教えてくれました』
『これは港社長の(コーポレート・ガバナンスに問題はないとの)意見に反して、貴社自身が作り出したコーポレート・ガバナンスの問題です。注視しているのは私たちだけではありません』
小宮氏は「フジテレビ側としては、“小さな問題”として処理したかったのではないか」との可能性を指摘。ダルトン側の発信が、1月27日の会見や第三者委員会の立ち上げにつながったのかもしれません。
そして1通目の手紙には、「We are outraged!」(憤りを禁じ得ない事態です)という表現がありました。この「outraged」という言葉は日常会話ではあまり使われず、「道徳的に許容できない」「社会的に見過ごせない」など、社会に一石を投じたいときに使われるような言葉で、オバマ元米大統領が人種差別に対する意見を述べたときに使っていました。「angry」「disappoint」などとはレベルの違う言葉です。小宮氏は「それくらい言わないとフジは動かないと思ったのか?」と話します。