「そういや最近食べてない…」煮物はもう家庭の味ではなくなったのか? 「時間と調味料の壁」「メインのおかずになりづらい」…自炊する家庭で進む“煮物離れ”の現状


【写真】“作る”となると少し時間がかかる… スーパーで小口で売られている「切り干し大根」

調理に時間がかかる

「実家では親が肉じゃがやひじき煮なんかを作っていましたが、一人暮らしになると、自分ではそういう煮物は作りませんね。家に帰るのは毎日21時くらいで、ただでさえ料理を作るのは面倒なのに、煮物は時間がかかる。そのうえ、調味料の問題があります。酒やみりんなんかを買うと、絶対余らせてしまう」

 とはいえ、本来は料理好きというTさん。何年か前に豚の角煮を作ろうと思い立ち、実行したことがあるが、それ以来多忙を極めたこともあり、作っていない。

「そういえば冷蔵庫に、その時買った料理酒が残っているような気がします(苦笑)。煮物に必要な調味料って、毎日がっつり料理をする人じゃないと全部使い切れない。それはそれでなんだかもったいなくて、塩とこしょう、醤油以外の調味料が必要な料理は作らなくなりました」(Tさん)

煮物は「コンビニで買う」

「煮物って、作ろうとすれば基本的に大量にできてしまって、一人で一日では食べ切れない。私は会社帰りに同僚や友人とご飯を食べて帰ることもよくあり、そうなると作り置きが無駄になりがち。かといって何日も同じ煮物を食べるのは飽きるので、作りません」

 そんなMさんが最近ハマっているのは、「コンビニの少量パックの煮物」だという。

「コンビニのパック惣菜で、一人用の肉じゃがや筑前煮なんかがあるんです。レンジであたためるだけですぐ食べられて、便利ですよ。メインは自分でつくるという時の副菜としても重宝しています。煮物は買うのがいちばんです」(Mさん)



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