経済アナリスト森永卓郎氏、67歳で逝去:親しみやすい語り口で経済を解説した「モリタク」の軌跡

経済アナリストとして活躍し、テレビやラジオで親しみやすい語り口で経済解説を届けてきた森永卓郎氏が、2025年1月28日、原発不明がんで逝去されました。享年67歳。この記事では、森永氏の功績、闘病生活、そして多くの人々に愛された「モリタク」の人物像を振り返ります。

闘病生活と惜しまれる最期

森永氏は2023年末にステージ4のすい臓がんを公表。抗がん剤治療の副作用に苦しみながらも、レギュラー出演していたラジオ番組などへの出演を続け、病状や経済問題について発信し続けていました。前日の27日には文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」に生出演するなど精力的に活動していましたが、28日朝、体調不良によりニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」を欠席。その後、自宅で息を引き取りました。

森永卓郎氏森永卓郎氏

経済アナリスト「モリタク」の誕生と活躍

東京大学経済学部を卒業後、日本専売公社(現JT)に入社。経済企画庁、三和総研(現三菱UFJリサーチ&コンサルティング)を経て、2006年から独協大学経済学部教授に就任。その後、経済アナリストとして独立し、テレビ朝日系「ニュースステーション」やTBS系「がっちりマンデー!!」など、数多くの番組で活躍しました。

森永氏が広く知られるようになったきっかけは、1996年から出演したテレビ神奈川(現tvk)の「HAMARA大国ナイト」。経済問題を男女関係に例えて解説する独特のスタイルが話題を呼び、「経済アナリスト」としての地位を確立しました。

森永卓郎氏 熱唱森永卓郎氏 熱唱

独自の視点と信念を貫いた評論活動

難しい経済問題を分かりやすく解説するだけでなく、自らの信念に基づき、どんなに大きな相手にも臆することなく鋭い批判を展開する姿勢は、多くの人々の共感を呼びました。経済問題だけでなく、趣味のコレクションや男女関係、ダイエットなど、幅広い分野で著書を出版。2003年には「年収300万円時代を生き抜く経済学」が新語・流行語大賞トップテンに選出されるなど、大きな影響力を持ちました。

がん公表後も執筆活動を続け、「書いてはいけない 日本経済墜落の真相」はベストセラーに。まさに「この本を出すまで死ねない」という強い意志を貫き、最期まで現役の経済アナリストとして活躍しました。

多彩な趣味とプライベート

ミニカーやブリキのおもちゃのコレクターとしても知られ、2014年には埼玉県所沢市に約12万点のコレクションを展示する「B宝館」をオープン。また、プロ野球DeNAベイスターズの熱烈なファンでもありました。

経済アナリストとしての顔だけでなく、多彩な趣味を持つ森永氏。その多面的な魅力も、多くの人々を惹きつける要因の一つでした。

森永卓郎氏の功績と人柄

森永卓郎氏は、難しい経済問題を分かりやすく解説することで、多くの人々に経済への関心を高めるきっかけを与えました。親しみやすい語り口と鋭い分析力で、テレビやラジオで活躍し、日本の経済評論界に大きな足跡を残しました。

経済アナリスト森永康平氏を長男に持ち、親子二代で経済の分野に貢献しました。森永卓郎氏の訃報は、日本経済界にとって大きな損失と言えるでしょう。その功績と人柄は、多くの人々の記憶に残り続けることでしょう。