「変化球も投げられる器用さ」「明らかなオベンチャラも真顔で」“総務省のセオリー”を崩した原邦彰次官の素顔


【写真】この記事の写真を見る(2枚)

◆◆◆

“総務省のセオリー”を崩した男

 総務省には「財政課長に就いた者が次官に就く」というセオリーがあるが、財政課長未経験の原氏はこれに当てはまらない。

 地方交付税の分配権を握る自治財政局は、職員数も多く、キャリア官僚同士の競争も熾烈を極め、勝ち残った者が財政課長となる。一課長にして日程担当職員を置かれる最枢要ポストだ。

 佐藤文俊官房副長官(54年、同)、黒田武一郎宮内庁次長(57年、同)、内藤尚志地方公共団体金融機構理事長(59年、同)と、旧自治省系の総務次官は、ほぼ全員、財政課長の経験者。原氏の後も大沢博消防庁長官(平成2年、同)、出口和宏自治財政局長(4年、同)が「次官にほぼ内定している」(関係者)と言われる。

 財政課長就任が確実視されていた原氏が2018年に内閣総務官室へ出向したのは、「総務官室に一番のエースを」という官邸の強い求めに対し、総務省が原氏を差し出したためだ。

「直球勝負の連中が多い財政畑で、変化球も投げられる器用さ」、「明らかなオベンチャラも真顔で言ってのける臆面のなさ」(同前)を武器に官邸での3年間を乗り切ると、再び総務省へカムバック。

 同省には「総務官をやると総務省には戻れない」というセオリーもあるが、原氏はこれにも当てはまらなかった。

〈 この続き では、総務省カムバック後の原氏の動きについて言及しています〉

※本記事の全文(約4500字)は、月刊文藝春秋のウェブメディア「文藝春秋PLUS」と「文藝春秋」2025年11月号に掲載されています( 霞が関コンフィデンシャル )。全文では下記の内容をお読みいただけます。

★奔走する財務官僚
参院選に続き、自民党総裁選でも物価高対策が焦点になり、財務省の内部からも「消費税が守れれば、所得税はやむを得ないか」(中堅官僚)との声が漏れるように…
★日米合意の行方
次の政権が必ず引き継がねばならない宿題は多い。最も重いテーマが日米関税合意の実行だ。ドナルド・トランプ米大統領と直接交渉した赤澤亮正経済再生担当相は…
★先頭に立つ名官房長
厚生労働省では伊原和人事務次官(昭和62年、旧厚生省)の続投が決まり、2年目に入った。事務方トップの在任期間が2年になること自体は珍しくないが、前任の大島一博氏(同)も…

「文藝春秋」編集部/文藝春秋 2025年11月号



Source link