タレントだった中居正広さん(52)と女性のトラブルへの対応が批判を浴び、辞任を求める声が高まっているフジテレビの港浩一社長。フジが「楽しくなければテレビじゃない」のスローガンを掲げ、年間視聴率の3冠を獲得したかつての「黄金時代」に、いくつものヒット番組を生み出した名物プロデューサーとして知られている。
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港氏は1952年生まれ、北海道出身。早稲田大第1文学部を卒業後の76年にフジテレビに入社した。ディレクターとして80~90年代に放送された人気番組「夕やけニャンニャン」「オールナイトフジ」を担当。プロデューサーやディレクターとして「とんねるずのみなさんのおかげです」「とんねるずのみなさんのおかげでした」を手がけた。とんねるずの番組の中で、木梨憲武さんに「小港さん」としてものまねをされたことでも有名で、芸能人との関係も深い。
2006年以降、バラエティ制作担当局長や常務取締役などを経て、15年にフジ・メディア・ホールディングスの子会社の番組制作会社、共同テレビの社長に就任した。共同テレビは港氏の在任中、NHKの「チコちゃんに叱られる!」やTBSの日曜劇場「危険なビーナス」などを世に送り出している。
港氏は22年6月、7年ぶりにフジに復帰し、社長に就いた。当時の毎日新聞の取材に「社長就任の話はとても驚いたが『フジテレビを再び強くする』という使命を感じた」と話し「このタイミングで社長になったのは、看板番組を出すためだと思う。やっぱりテレビは面白い。自信と誇りを持ってやっていきたい」と語っていた。【井上知大】