フジテレビ謝罪会見の舞台裏:10時間半の緊迫、そして混乱

フジテレビが1月27日に行った謝罪会見。中居正広氏に関するトラブルを受けた異例の“やり直し”会見は、10時間半にも及ぶ長丁場となり、様々なドラマが展開されました。本記事では、中継では映らなかった舞台裏の様子を、参加した記者からの情報をもとに詳しくお届けします。

異例の会見、厳戒態勢のもとで開催

今回の会見は、メディアの種類を問わず、フリーランスの記者も含め幅広く参加が認められました。受付開始前から長蛇の列ができ、会場入り口では厳重な荷物検査と金属探知機によるチェックが行われるなど、異様な緊張感が漂っていました。会場内にも多数のスタッフが配置され、不測の事態に備える万全の体制が敷かれていました。

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数百本もの水が用意されていたのも印象的でした。長時間の会見を予期していたのでしょう。参加記者の一人は「喉がカラカラになることを想定した、同業者ならではの配慮」と語っています。191媒体、437名という多くの報道陣が集まり、会場はほぼ満席となりました。

辞任表明、そして10時間に及ぶ質疑応答

16時、定刻通りに会見が開始。嘉納修治会長、金光修社長、港浩一社長、遠藤龍之介副会長が出席し、冒頭で被害女性への謝罪と嘉納氏、港氏の辞任が表明されました。

フジテレビ側の説明の後、約10時間に及ぶ質疑応答が始まりました。ここで様々なハプニングが発生します。YouTuber「煉獄コロアキ」と名乗る男性が、生配信禁止のルールを破り、さらに「フジテレビ答えろよ」と野次を飛ばし、強制退場となる場面もありました。

混沌とした質疑応答、ルール無視の行動

「一人2問」というルールが設けられていたにも関わらず、他の記者の質問中に割り込んだり、フジテレビ側の回答中に発言するなど、ルールを守らない参加者が複数現れ、会場は騒然となりました。中には、質問ではなく10分近く持論を展開し、司会者から注意を受ける者もいたそうです。

こうしたルール無視の行動に、他の記者からは「黙ってほしい」「邪魔をするなら退場してくれ」といった怒りの声が漏れるなど、現場は混乱を極めていました。

長時間会見の弊害、消耗戦となった質疑応答

深夜2時になる頃には、報道陣も4分の1ほどに減っていました。10時間半の会見中、休憩はわずか15分。報道陣もフジテレビ側も疲労困憊の様子でした。特に港前社長は、質問に答えるまでに数秒間沈黙する場面が増え、終盤は明らかに憔悴しきっているように見えたと、参加記者は証言しています。

17日の会見の失敗を踏まえ、オープンな会見にしたものの、長時間の質疑応答は、最終的には双方にとってメリットのない“消耗戦”となってしまったと言えるでしょう。メディアコンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「情報公開の姿勢は評価できるものの、適切な時間管理とルール遵守の徹底が重要だった」と指摘しています。

今後のフジテレビに求められる対応

2度にわたる会見を経て、フジテレビは今後どのように対応していくのでしょうか。今回の経験を活かし、より効果的な情報発信と信頼回復に努めることが求められています。