〈「ハンターの高齢化」「自然の減少」だけじゃない…「クマが都内にやってくる」もう一つの“意外な理由”とは〉 から続く
日本各地でクマによる被害が急増している。東京でも今年に入ってから目撃例が相次いでおり、「都民もクマ鈴が必要になる日が来る」という声すら聞かれる。
だが、都心部で見られるようになった動物はクマだけではない。自然解説者の佐々木洋氏は、“都会派のフクロウ”が激増していると指摘する。
佐々木氏の著書『 新 都市動物たちの事件簿 』(時事通信社)より、東京に住むフクロウが増えた「4つの理由」を抜粋して紹介する。(全4回の3回目/ つづきを読む )
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フクロウが東京に住み始めた「4つの理由」
私が東京都心部で自然観察を本格的に始めてから40年ほど経つが、東京23区内のフクロウに関しては、葛飾区にある都立水元公園などいくつかの場所で、冬季に越冬している個体をほぼ毎年1、2羽見る程度だった。
つまり、フクロウが都心部で繁殖する気配はもともとほとんどなかったと言ってよい。ところが、2000年前後から山手線の内側などでもフクロウがよく観察され、春夏の繁殖ポイントも増えているのだ。
2020年12月25日の日本野鳥の会東京研究部ブログでも、「東京の街にフクロウが…情報をお寄せください」というタイトルで、奥多摩の山地の森林にすんでいたフクロウが東京23区にすみ始めたようだということを伝えている。
フクロウが東京都心部に定着し始めた主な理由は、私は4つあると考える。
1つ目の理由は、「東京都心部にはフクロウの餌がたくさんある」ということだ。
フクロウは小型の哺乳類をよく食べる。クマネズミ、ドブネズミが増加し、あちこちで目につくことは、都会に暮らす人であれば誰でも感じるだろう。フクロウは、これらの主に幼獣を食べていると思われる。
私は、新宿の路地で、夜、道路を横断しているクマネズミの幼獣が突然舞い降りてきたフクロウに襲われる瞬間に出くわしたことがある。しかし、そのときはとり損ね、そのフクロウはすぐ近くの緑地の森の奥へ消えていった。
また、東京都心部の公園の芝生広場や林の地面には、まるで町の中華料理店でよく見る皿に盛ったチャーハンのような土の盛り上がりがたくさんある。これらは「モグラ塚」と呼ばれるモグラの活動あとだ。
東京都心部では、その塚を作ったモグラはほぼ100パーセント、アズマモグラという種類だ。これも、都会派のフクロウはよく食べているようだ。





