(CNN) 米グーグルが大統領令に従って地図サービスに表示する「メキシコ湾」の名称を「アメリカ湾」に変更すると発表したことをめぐり、メキシコ人が冷ややかな反応を示している。
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は28日の定例記者会見で、トランプ氏の大統領令の対象は米大陸棚に限られると指摘。「メキシコ湾は今もメキシコ湾のまま」と強調した。
SNSではトランプ大統領の自国に対する「執念」や決定の異常さを揶揄(やゆ)する画像が飛び交った。メキシコの人気サッカーチーム「クラブ・アメリカ」にトランプ氏が敬意を表していると皮肉る投稿もあった。
一方、メキシコの新聞エル・ウニベルサルに寄せた論説の中で、法律専門家のマリオ・メルガルアダリド氏は反論を促した。
「メキシコはこの干渉に断固として反対しなければならない。さもなければ次の段階として、我が国の憲法で定めたメキシコ合衆国(メキシコの正式国名)の代わりに、彼らは我々を『オールド・メキシコ』と呼び始めるかもしれない」
メキシコ湾に面したベラクルス州のロシオ・ナーレ知事は「現在もこれからもずっと、我々の豊かで偉大な『メキシコ湾』であり続ける」とSNSに書き込んでいる。
ベラクルス州の出身でメキシコ市在住の男性は「馬鹿馬鹿しい」と一蹴。「私たちが育ってきた歴史や地理を全て一夜にして変えることはできない」と言い、別の住民はトランプ氏の大統領令を「あまりに子どもじみている」と形容した。
グーグルの地図でメキシコ湾の名称が変更されるのは米国のみ。メキシコでは引き続き「メキシコ湾」と表示され、それ以外の国では両方の名称が表示される。