「元役員に騙されました」
「公認会計士の元役員に完全に騙されました」
こう悔しそうに語るのは船井電機前社長の上田智一氏である。4年前に約250億円を投じて同社を買収し、脱毛サロン運営会社を買って経営多角化を図るも失敗。同運営会社を広告代理店に「100万円」で売却した。また昨年9月には、船井電機そのものの経営権も都内のファンドに「1円」で売った。
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売上高3500億円で「世界のFUNAI」と呼ばれた船井電機は、昨年10月に破産開始決定を受け、550人の従業員は解雇された。上田氏に対する怨嗟の声が上がり、批判報道も相次いだ。
消えた300億円
その原因が元役員らにあるとして、上田氏は1月9日、大阪府警に告訴・告発した。本来売却の条件は、脱毛サロンや船井電機が持つ債務を帳消しにするものだった。それが船井再生に繋がるはずだったが、約束は履行されずに主導した会計士の元役員は、アドバイザリー報酬などで2億円以上を得たと、上田氏は主張する。
破産までに船井電機からは約300億円の資金が流出しており、上田氏自身や後任社長、別の元役員らの告訴・告発も大阪府警に出されている。2月にも捜査着手とされるが、複雑怪奇な事件を府警はどう解明するか。
「週刊現代」2025年2月1・8日号より
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【つづきを読む】従業員550人が突如解雇、前社長が経営権を1円で売却、さらには「告訴合戦」まで…!騒動が収まらない「船井電機」内部で起きている「異常すぎる事態」
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