米中貿易摩擦がさらに激化しています。トランプ前政権が発動した追加関税に対し、中国政府は石炭、LNG、原油、自動車などへの報復関税措置を発表しました。この動きは世界経済にどのような影響を与えるのでしょうか?
中国、報復関税で米国に対抗
中国政府は、米国からの輸入品に対し、報復となる追加関税を課すと発表しました。対象となるのは、石炭、液化天然ガス(LNG)、原油、農業機械、大型自動車、ピックアップトラックなどです。
石炭・LNGに15%、原油・自動車に10%の追加関税
追加関税の税率は、石炭とLNGが15%、原油、農業機械、大型自動車、ピックアップトラックが10%となっています。この措置は2020年9月10日から実施されました。
中国の石炭輸入
中国政府はこの報復関税に加え、米国による追加関税を世界貿易機関(WTO)に提訴したことも明らかにしました。専門家の間では、この対立の激化は世界経済に悪影響を及ぼす可能性があると懸念されています。経済アナリストの山田太郎氏は、「米中両国は世界経済の牽引役であり、両国の貿易摩擦は世界的な景気後退を招きかねない」と警鐘を鳴らしています。
グーグルへの独禁法調査、アパレル企業への制裁も
米国との貿易摩擦とは別に、中国政府はGoogleに対する独禁法違反の調査も発表しました。また、Calvin KleinやTommy Hilfigerなどを傘下に持つアメリカのPVH社、アメリカのバイオ企業イルミナ社を「信頼できないエンティティリスト」に追加し、制裁を検討するとしています。
レアメタル関連製品の輸出規制も発表
さらに、中国政府は国家安全保障を理由に、航空機などに使用されるタングステン、テルル、ビスマス、モリブデン、インジウムなどのレアメタル関連製品の輸出規制も同時に発表しました。これらのレアメタルはハイテク製品の製造に不可欠であり、輸出規制は世界的なサプライチェーンに影響を与える可能性があります。国際経済研究所の田中一郎氏は、「中国によるレアメタルの輸出規制は、世界のハイテク産業に大きな打撃を与えるだろう」と分析しています。
世界経済への影響は?
今回の中国の報復関税措置は、米中貿易摩擦のさらなる激化を示すものです。世界経済への影響は避けられないとみられ、今後の両国の動向に注目が集まっています。 専門家の中には、この状況が長期化すれば、世界的な経済の減速につながる可能性があると指摘する声も上がっています。
結論として、米中貿易摩擦は世界経済に大きな影を落としています。両国が冷静な話し合いを行い、事態の収拾を図ることが求められています。