ウクライナ防空網に懸念、ドイツがパトリオット購入で穴埋め検討

米国がウクライナへの一部兵器供給を一時停止したことを受け、ドイツ政府はその穴埋めとなる支援策に乗り出す姿勢を示しています。特に防空システムの分野で、ウクライナの防空態勢への影響が懸念される中、ドイツはパトリオット供与を強化することを検討中です。

ドイツのメルツ首相。ベルリンにて。ドイツのメルツ首相。ベルリンにて。

米国の供給停止と懸念

米国によるウクライナ向け兵器供給の一時停止は、特にパトリオット用ミサイルなどが含まれると報じられており、ウクライナの防空網に悪影響を与える可能性が指摘されています。

ドイツのパトリオット供与強化案

これに対し、ドイツ政府は4日の記者会見で、米国からパトリオットシステムを購入し、ウクライナに供与する案を検討していることを明らかにしました。ドイツはこれまでに、自国保有のパトリオット3基をウクライナへ供与済みです。米国からの購入を通じて、さらに2基を追加供与することを目指す方針です。

政府報道官の見解

独政府のコルネリウス報道官は、「隙間を埋める方法は様々ある」と述べ、ウクライナの防空強化に向けて「集中的に議論している」と説明しました。これは、米国からの供給停止による影響を最小限に抑えたいというドイツの強い意向を示しています。

メルツ政権の支援姿勢

5月に発足したメルツ政権(※記事原文の記載に基づく)は、一貫して積極的なウクライナ支援を掲げています。ピストリウス国防相は6月、ウクライナ支援国の会合で、自国からのパトリオット追加供与は困難だが、関係国が供与する際の費用負担を検討する考えを示していました。また、独有力誌シュピーゲルは、メルツ首相(※記事原文の記載に基づく)がこの件について3日にトランプ米大統領と電話協議したと報じており、具体的な決定は今後の議論に委ねられています。

ウクライナとデンマークの新たな協定

ドイツの動きとは別に、ウクライナとデンマークは4日、デンマーク国内にウクライナ企業の無人航空機(ドローン)生産拠点を設ける協定に署名しました。これはウクライナの防衛産業が初めて海外に進出する事例と報じられており、自国の防衛力強化に向けた取り組みが国際協力の下で進んでいることを示しています。

米国の供給停止を受け、ドイツはパトリオット購入によるウクライナへの防空支援強化を検討しており、継続的な国際支援の重要性を示しています。同時に、ウクライナ自身もドローン生産の海外展開など、多角的な方法で防衛力強化を図っています。

参考資料

https://news.yahoo.co.jp/articles/f4bec9acbccdca87bdafc85e00a6d042390614cd