政権発足後、石破首相は各党との連携を模索しているものの、足並みが揃わず苦戦を強いられている。大阪万博の成功、野党共闘の行方、選択的夫婦別姓への対応など、課題は山積している。
大阪万博成功へ、維新との連携強化
大阪万博会場を視察する石破首相と吉村大阪府知事
石破首相は19日、大阪万博会場を視察し、日本維新の会代表の吉村洋文大阪府知事と会談。「万博成功へ向け、気持ちを一つにできた」と語り、連携強化をアピールした。維新としても万博成功は党勢回復の鍵を握っており、石破政権への協力姿勢を見せている。全国紙政治部デスクによると、維新が求める高校授業料無償化についても協議が進められているという。しかし、野党共闘に関しては、維新が企業・団体献金の全面禁止を主張するなど、立憲民主党との溝は埋まっていない。政治評論家の山田一郎氏は「維新の独自路線が野党共闘の足かせとなっている」と指摘する。
立憲民主党、静観の構え
立憲民主党は、支持率の低い石破政権のまま夏の参院選を迎えたい思惑があり、現状では政権転覆を狙う動きを見せていない。立憲中堅議員は「今は石破政権を揺さぶる時ではない」と語る。政治ジャーナリストの石橋文登氏は、立憲の戦略について「選択的夫婦別姓法案の成立と引き換えに予算案を通す可能性がある」と分析する。予算委員長である立憲の安住淳氏が採決を遅らせることで、石破政権に揺さぶりをかけるシナリオも考えられる。
国民民主党、夫婦別姓で揺さぶり
玉木雄一郎代表
国民民主党の玉木雄一郎代表は、選択的夫婦別姓に慎重な姿勢を示し、「旧姓使用の拡大も一つの案」と主張。党内右派の反発が強い石破首相にとって、夫婦別姓法案への対応は難しい問題だ。政治部デスクによると、玉木氏は「103万円の壁」問題での譲歩を引き出すために、夫婦別姓問題で揺さぶりをかけているという。
石破首相と小池都知事
各党がそれぞれの思惑で動き、石破政権との連携も足並みが揃わない状況が続いている。今後の政局の行方は不透明だ。