フィリピン・ボホール島、ジンベエザメ観光ツアーを一時中止!生態系への影響を懸念

ボホール島といえば、世界有数のダイビングスポットとして、特にジンベエザメとの遭遇体験が人気を集めていました。しかし、そのジンベエザメ観光ツアーが、突如中止となりました。美しい海を守るための苦渋の決断、その背景にある理由、そして今後の展望について、詳しく見ていきましょう。

ジンベエザメ観光ツアー中止の真相

2023年8月3日、ボホール州知事エンリコ・アリストトール・オーメンタッド氏は、ジンベエザメとの触れ合いを含む、あらゆる観光活動を直ちに中止する行政命令に署名しました。この決定は、海洋生態系への影響を懸念してのこと。一体何が起きているのでしょうか?

エサやりによる生態系への悪影響

調査の結果、観光客向けに行われていたジンベエザメへのエサやりが、生態系に悪影響を及ぼしていることが明らかになりました。

観光業者がジンベエザメをおびき寄せるために与えていたオキアミは、海中で強烈な悪臭を放ち、周辺の海洋環境を悪化させていました。さらに、エサを求めてジンベエザメの回遊ルートが変化するなど、自然の摂理を乱す事態に発展していたのです。

ボホール島のジンベエザメボホール島のジンベエザメ

違法行為の発覚

実は、ボホール島では、ジンベエザメへのエサやりを禁止する地方条例が既に存在していました。しかし、多くの観光ツアー業者がこの条例を無視し、無許可でエサやりを行っていたことが判明したのです。 今回の行政命令は、この違法行為に対する措置でもあります。

海洋生物学者である山田博士(仮名)は、「ジンベエザメへのエサやりは、彼らの自然な行動を阻害し、長期的な生態系のバランスを崩す可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

働き口を失う人々への支援策

今回の措置により、ジンベエザメ観光ツアーに携わっていた人々の雇用が失われることになります。ボホール州政府は、こうした人々への生活支援を約束しており、新たな雇用機会の創出に向けた取り組みも進められています。

観光への影響は?

ボホール島知事は、「ジンベエザメツアーが中止されても、ボホールには他にも魅力的な観光スポットがたくさんあるため、観光客が減る心配はない」と自信を見せています。美しいビーチやチョコレートヒルズなど、ボホール島の魅力はジンベエザメだけではありません。

ジンベエザメ観光ツアー再開の可能性

行政命令では、ツアー運営者が条例を遵守し、エサやりを中止するなどの条件を満たせば、将来的にジンベエザメ観光を再開する可能性も示唆されています。 持続可能な観光のあり方が問われる中、ボホール島は、自然環境と経済活動の調和を目指した新たな道を模索していると言えるでしょう。

ジンベエザメとダイバージンベエザメとダイバー

ボホール島の未来は、自然環境保護と観光業の共存という課題にどう向き合っていくかにかかっています。この美しい島が、これからも多くの人々を魅了し続けることを願うばかりです。