4年連続で税収が過去最高を更新、2024年度はさらに更新すると見込まれている。国会では石破茂総理が「国民の皆様方にお返しするような財政状況ではない」と、増収分を国民に還元すべきという野党からの提案に否定的な認識を示し、話題にもなった。そんな中、国民民主党・玉木雄一郎衆議院議員がXでポストした内容に、大きな反発が起きている。
内容は党として、金融所得課税については分離課税を30%に上げ、総合課税と選択できるように目指すと方針をとりまとめた、というもの。国民民主党は、行き過ぎた格差を是正し、高所得者層への課税強化、所得再分配につながる政策としている。これにSNS上では猛反発。「投資意欲が下がる」「課税強化になったら、103万円の壁見直しが実現しても、意味がない」という声も見られた。「ABEMA Prime」では玉木氏に直接、ポストの真意などを聞いた。
■一律約20%の金融所得課税、5〜45%の労働所得課税
金融所得課税とは、投資信託・株式・預金など金融商品から得た所得に対するもので、税率は一律で20.315%となっている。一方、労働所得は給与所得や事業所得など働いて得られる収入に対してのもので、各種所得の合計に課税(総合課税)し、税率は額に応じて変わる累進課税(5〜45%)となっている。国民民主党が昨年12月24日に示したものは、行き過ぎた格差を是正する「金融所得課税改革」。再分配の機能回復策として金融所得課税の強化を目指し、分離課税を30%に引き上げ、総合課税と選択できる制度とする、各所得の損益通算を認める、所得税累進度の見直しなどを検討するとしている。
玉木氏は、党としても問題だと指摘してきた“1億円の壁”について言及した。「累進課税だから基本的には上がっていくが、1億円を超えると総所得に対する税負担が下がり始める。ここはちょっと上がった方がいい。1億円を超えると、急に全所得に対する金融所得の割合がぐっと伸びる。例えば100億円の方だと9割以上が金融所得。ご負担能力があるのであれば、負担していただけないかということ」と説明。年収1億円を超えるような富裕層に対して、より負担を求めるもので、「明確に申し上げたいのは今、将来の年金とかが不安で、特に現役世代の人が資産形成をやりたいということで、NISAやiDeCoが拡充されてきた。そういった方々の資産形成を阻害するような増税は一切やる気がない。ただ、それをどうやって全体として制度を設計していくのかは極めて難しいので、いくつかの案を出しながら検討しているのが現状」と述べた。
なお玉木氏は過去、金融所得課税30%について主張したことはないと発信したことがあり、それを撤回したことも話題になったが、これには「正直申し上げると、私が中身を知らなかった。一般的に金融課税を高所得の方、超富裕層に強化することはずっと公約でも書いてきて知っていたが、分離課税30%、しかもそれを総合課税と選択できるとまで去年の年末、書き込んでいたのは見逃していた。1回『そんなことは決めていませんよ』と言ったが、よく見たら決めていたので、お詫びをした」と説明した。