最強・最長寒波到来で寒さが厳しい今、風邪やインフルエンザが流行していることもあり、筆者の薬局にも「なんとか免疫力を上げたい」という相談が増えています。
【写真で見る】のどが痛いときにオススメ「はちみつ大根」の作り方
そんな人たちにお伝えしているのが、「胃腸を疲れさせないように」ということです。実は、この時期は新年会などで食べすぎ・飲みすぎにより胃腸が疲れがちで、そこから風邪やインフルエンザ、新型コロナにかかる人が多いのです。
■胃腸が疲れると感染症にかかりやすい?
なぜ胃腸が疲れると感染症にかかりやすくなるのでしょうか。
漢方では、胃腸は単に飲食物を消化吸収する臓器ではなく、飲食物から得た栄養を生命エネルギーである「気」に作り変える重要な場所であると捉えています。
この気は外敵(漢方では「邪」といいます)から体を守るバリアのような存在で、ウイルスや細菌が外から入ってくるのを防ぎます。ですから、胃腸の健康を保ち、気をしっかり作って体のバリアを強力にすることが、漢方における感染症対策といえるのです。
同じ環境にいても、感染症にかかる人とかからない人がいるのは、この気の力に差があるからなのです。
したがって、食べすぎ・飲みすぎや不適切な飲食で胃腸を疲れさせてしまうと、感染症にかかるリスクが高まります。早急に胃腸の健康を立て直す必要があるのです。
■免疫UP「大根のおすすめの食べ方」
そして身近な食材である「大根」は、胃腸を健康にして、免疫力のアップに役立つ食材の1つです。
『新修本草(しんしゅうほんぞう)』という中国の薬物書のなかでも、「温める性質を持ち、粉末にして服用するか、煮て食べれば、おおいに気の流れを整え、消化を促し、未消化物の排出を促し、人を健康にする」と記されているように、胃腸薬としての働きを持つとされています。
同書にはまた「根、葉いずれも、生でもよく、煮てもよく、漬け物にするのもよい。野菜のなかでもっとも利益があるもの」とも書かれています。
それだけ薬効の高い食材なのです。
おすすめの食べ方①大根おろし
まず、「胃腸が疲れているな」と思ったときに食べていただきたいのが、「大根おろし」です。大根の代表的な料理である大根おろしは、最も身近な消化薬です。
大根にはでんぷんを分解するアミラーゼ(ジアスターゼ)という消化酵素が含まれています。胃腸の働きを助けて、胃もたれや胸やけなどの症状を抑えます。「からみもち」で知られるように、もちも大根と一緒に食べると、胸やけがしにくいです。