2024年後半の月販販売台数を見ると、ハリアーが好調なのに対し、RAV4の激減ぶりが目立つ。2024年12月16日の一部改良があったにせよ、それ以前の月と比べてもハリアーの半分以下だ。なぜRAV4はハリアー0の半分しかい売れないのか?次期ハリアーはどうなるのか、迫っていきたい。
【画像ギャラリー】次期RAV4はこうなる!!!ハリアーよりだんぜんカッコいいゾ!!!(10枚)
文:渡辺陽一郎/写真:ベストカーWeb、トヨタ、CGイラスト(ベストカー本誌製作)
RAV4の人気が急減しているのか?
売れ筋の価格帯が400万円を超える中級から上級SUVで、最も多く売られている車種がトヨタハリアーだ。2024年の1か月平均登録台数は5348台だから、コンパクトカーのアクアと同等になる。
その一方で同じトヨタのRAV4は、2024年の1か月平均登録台数が2550台だった。直近の月販台数をハリアー/RAV4を比較してみても、2024年10月は4763台/3081台、11月は4593台/1032台、12月は3255台/563台だった。
ハリアーとRAV4は、パワーユニットやプラットフォームなどの基本部分を共通化しており、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)の数値も2690mmで等しい。それなのにRAV4の登録台数はハリアーの半分以下だ。
最近はハリアーからヤリスクロスまで、他社も含めて乗用車のプラットフォームを使うシティ派SUVが増えた。この反動もあり、SUVのニーズに原点回帰の傾向が生まれている。ランドクルーザーシリーズやスズキジムニーシリーズなど、悪路向けのSUVが従来以上に注目されている。
例えばジムニーに加わった5ドアボディのノマドは、人気が際立って高い。2025年1月30日に発表された後、約4日間で受注台数が5万台に達して受注を停止した。ジムニーノマドの目標販売台数は、1か月当たり1200台だから、瞬く間に3年半の受注を獲得したわけだ。
この人気は凄い。ランドクルーザーシリーズも、2025年2月上旬時点で、70/250/300の全車が受注停止となっている。
以上のようなSUVの人気動向を踏まえると、野性的な雰囲気を備えたRAV4の売れ行きが、ハリアーの半分以下で少ないのではないか。なぜRAV4の売れ行きが伸び悩むのか、販売店に尋ねると以下のように返答された。
「RAV4の人気が低いというより、ハリアーが絶好調なんです。価格の高い上級SUVなのに、コンパクトなカローラクロスやヤリスクロスの売れ行きに近いです」。2024年の1か月平均登録台数を比べると、カローラクロスが約6800台、ヤリスクロスは約6700台だ。ハリアーはこの2車に比べて価格が大幅に高いのに5348台も売れているのだから、その人気ぶりがわかる。
RAV4の販売台数が激減しているのには以下のことも考えられる。
2024年10月に一部改良モデルの発表が予定されていたものの、認証不正の影響で一時的に受注停止となっていたが、トヨタは2024年11月28日にRAV4を一部改良し、ガソリン車、ハイブリッド車を12月16日、PHEVを2025年1月6日に発売すると発表。
一部改良では、FFモデルが廃止され、Xグレード系にはパーキングサポートブレーキ、ブラインドスポットモニター、ドアミラー足元照明が標準装備。また、Xグレードには8インチのディスプレイオーディオが標準装備され、Xグレード以外のグレードでは10.5インチのディスプレイオーディオPlusがそれぞれ標準装備となった。
この一部改良が認証不正の問題で、当初予定の10月から12月に延期され、この間受注停止になっていたが、一部改良モデルの発表とともに受注が再開。一部改良モデル発表前の受注停止、受注後の受注再開という状況により、10月の3081台から、11月1032台、12月563台に急減した。
とはいえ、2024年決算期の3月の販売台数はハリアー7560台、RAV4が3130台、2024年暦年で見てもRAV4の販売台数は3万599台と、6万4188台とハリアーの半分以下だから、それが大きな理由ではないことがわかる。
納期に関しても2月初旬現在、RAV4はガソリン車が2か月程度、ハイブリッドは3〜4か月、PHEVは2〜3か月に対し、ハリアーは2025年春に一部改良が予定されており、ガソリン、ハイブリッドともに現在はグレードによっては受注停止となっており、PHEVは納期3か月程度となっている。
ハリアーは2020年6月に発売され、早くも納期はハイブリッドモデルが半年〜1年以上で、2022年10月の一部改良モデルの発売時点では、上級グレードのZ、Zレザーパッケージの受注停止状態が続いていたが、2023年6月24日からこのZ、Zレザーパッケージの受注が再開。2024年8月中旬時点で注文すると、納期は全グレード、2024年11月中旬〜下旬となっていたのだが……。