ファミリーマートが大胆な戦略を打ち出した。なんと、全国5000店規模で売場面積の拡大に乗り出すというのだ。郊外店ではコンテナを増設、都市部ではイートインスペースを売場へと転換するなど、その手法も実に多様。業界トップのセブン-イレブンを追撃すべく、ファミマの挑戦が始まった。一体どんな戦略なのか、詳しく見ていこう。
コンビニ業界の競争激化!ファミマの新たな一手とは?
コンビニ業界は熾烈な競争が繰り広げられている。日販(1日当たりの売り上げ)でセブン-イレブンに大きく水をあけられているファミリーマートは、売場面積の拡大によって巻き返しを図る。その具体的な戦略として、コンテナ設置による増床と、イートインスペースの売場転換という二つの柱が掲げられた。
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郊外型店舗:コンテナ増設で品揃えを強化!
まず、郊外型の店舗では、敷地の余裕を活かしてコンテナを増設する計画だ。2026年2月までに約1000店舗で実施予定で、既存の店舗とコンテナ部分は行き来が可能になるという。まるで店舗が拡張されたかのような、シームレスな設計だ。コンテナ部分には新たな商品棚を設置するだけでなく、バックヤード機能を移転することで、さらに売場面積を拡大。数百品目の商品を追加販売できるようになり、売上1割増を目指している。
食品スーパーやドラッグストアとの競争が激化する郊外において、品揃えの強化は不可欠。コンテナ増設によって、地域住民のニーズを的確に捉えた商品展開が可能になるだろう。例えば、地域特産品や、ドラッグストアで人気の高い日用品、PB商品などを強化することで、顧客の来店頻度を高める狙いがあると予想される。小売コンサルタントの山田氏は「郊外店におけるコンテナ戦略は、競合他社との差別化を図る上で非常に有効な手段となるだろう」と分析している。
都市型店舗:イートインスペースを売場化!
一方、都市部の店舗では、イートインスペースを売場へと転換する計画が進められている。約7000店舗のうち、3割に当たる2000店舗が対象だ。これにより、1店舗あたり約100品目の商品を追加できるようになり、日販5~7%増を見込んでいる。
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追加される商品としては、コンビニエンスウェアや日用品、お菓子、加工食品などが挙げられている。特に、近年力を入れているコンビニエンスウェアの拡充は、ファッションに敏感な都市部の顧客層を取り込む上で重要な役割を果たすと考えられる。
イートイン縮小の背景:コロナ禍で変化した消費行動
かつてファミマはイートインスペースの拡充に力を入れていた。しかし、コロナ禍で消費者の行動が変化し、イートインの利用率が低下。このことが、今回のイートイン縮小の背景にある。
「コロナ禍で、イートインスペースをコミュニケーションの場として利用するケースが減少しました。5類移行後も利用が回復しない店舗については、売場化を進めています」(ファミリーマート広報担当者)
この決断は、変化する市場環境への迅速な対応と言えるだろう。フードアナリストの佐藤氏は「消費者のニーズを的確に捉え、柔軟に戦略を転換することは、小売業界で生き残るための必須条件と言える」と指摘している。
ファミマの挑戦:未来への展望
今回の売場面積拡大戦略は、ファミマがセブン-イレブンを追撃するための重要な一手となるだろう。コンテナ増設とイートイン縮小という二つの戦略を組み合わせることで、品揃えを強化し、顧客満足度を高める狙いがある。今後のファミマの動向に注目していきたい。