【ニューデリー時事】チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(89)の兄で、チベット亡命政府元幹部のギャロ・トゥンドゥプさんが8日、インド東部カリンポンの自宅で老衰のため死去した。
97歳だった。北部ダラムサラに拠点を置く亡命政府議会関係者が9日、明らかにした。
1928年、現在の中国青海省に当たるチベット北東部に生まれ、後にインドへ渡った。中国政府の弾圧で59年にインドへ逃れたダライ・ラマの非公式の「特使」として、中国共産党政権との交渉役を担った。同政権の弱体化を狙った米中央情報局(CIA)とも密接な関係があったとされる。
AFP通信によれば、9日にインド南部の寺院で行われた礼拝に参加したダライ・ラマは、トゥンドゥプさんに関し「(彼は)最善を尽くした。非常に献身的で勇敢だった」と、その死を悼んだ。