ニューヨーク州連邦地裁は、ドナルド・トランプ前大統領の側近であるイーロン・マスク氏が率いる「政府効率化局(DOGE)」による、数百万人のアメリカ市民の個人財務データへのアクセスを阻止しました。この記事では、この裁判所の決定、その背景、そして今後の展開について詳しく解説します。
マスク氏の「政府効率化局」、財務省データへのアクセスを阻止される
ニューヨーク州南部地区連邦地裁のポール・A・エンゲルマイヤー判事は、マスク氏とDOGEに対し、財務省記録へのアクセスを禁止する緊急命令を出しました。さらに、すでに取得した記録のコピーの破棄も命じています。この判決は、トランプ前大統領がホワイトハウス内に設置したDOGEに財務省記録へのアクセスを許可したことに対し、19州の司法長官が提訴したことを受けてのものです。
alt=イーロン・マスク氏に抗議する人々。プラカードには「マスクを今すぐ止めろ」と書かれている
司法長官らは、DOGEは公式な連邦政府機関ではないため、マスク氏が「特別政府職員」としてアクセスすることは連邦法に違反すると主張しました。判事は、この主張を認め、データへのアクセスが機密情報漏洩やシステムハッキングのリスクを高めると判断しました。
司法長官、市民のプライバシー侵害への懸念を表明
ニューヨーク州のレティシア・ジェイムズ司法長官は、トランプ政権がマスク氏とDOGEに個人データへの「前例のないアクセス」を許可したと批判しました。ジェイムズ氏は、プライバシー侵害を恐れる多くの市民から懸念の声が寄せられていると述べ、今回の判決を歓迎しています。
マスク氏、判決に反発「全くもって狂っている」
一方、マスク氏は自身のソーシャルメディア「X」で、この判決を「全くもって狂っている」と批判。「金の使われ方を見ないで、税金の無駄遣いや詐欺を防ぐ対策を、どうやってとるんだ?」と反論しています。
専門家の見解:政府の透明性と個人情報保護のバランス
情報セキュリティ専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「政府の透明性を高めることは重要だが、個人情報の保護も同様に重要だ。今回の判決は、そのバランスを保つための適切な判断と言えるだろう」と述べています。 政府の効率化と国民のプライバシー保護、この二つの課題にどう向き合っていくのか、今後の動向が注目されます。
USAID予算削減問題にも関与
DOGEは、アメリカの対外援助を担う米国際開発庁(USAID)での大規模な予算削減も主導しており、大統領令によってUSAIDの業務が停止すると、世界中の数百のプログラムが凍結され、国際援助システムが混乱に陥りました。
首都ワシントンの連邦地裁は、USAIDの職員2200人を有給休暇にするトランプ氏の大統領令を、一時的に差し止めました。
この件についても、国際協力NGO団体代表の田中花子氏(仮名)は、「援助プログラムの突然の中断は、支援を必要としている人々に深刻な影響を与える。DOGEの活動は、国際社会におけるアメリカの役割を損なう可能性がある」と懸念を示しています。
今後の審理は2月14日に予定されており、更なる情報が明らかになることが期待されます。 jp24h.comでは、引き続きこの問題を注視し、最新情報をお届けしていきます。