中国発DeepSeekに対抗!イーロン・マスク氏、そして米大学も参戦、AI開発競争が激化

AI開発競争が激化の一途を辿っている。中国発の「中国版ChatGPT」と呼ばれるDeepSeekの登場は、米国に大きな衝撃を与え、反撃の狼煙を上げさせた。Teslaのイーロン・マスクCEOはDeepSeekを超えるAI開発を宣言し、米大学の研究チームはDeepSeekに匹敵する性能のAIモデルを驚きの低コストで開発したと発表。AI業界の勢力図を塗り替える可能性を秘めた、これらの動きを詳しく見ていこう。

イーロン・マスク氏、DeepSeek超えを宣言!xAIのGrokに期待高まる

マスク氏は、DeepSeekを「真のAI革命ではない」と一蹴し、自身が率いるxAIがより優れたAIモデルをリリースすると宣言した。xAIは既にChatGPTの対抗馬として、AIチャットボット「Grok」を開発しており、バージョン1、2に続き、現在バージョン3の公開が待たれている。GrokがDeepSeekを凌駕する性能を持つのか、世界中の注目が集まっている。

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米大学研究チーム、50ドル未満で高性能AIモデル「s1」を開発!

スタンフォード大学とワシントン大学の研究チームは、わずか50ドル未満の費用でAI推論モデル「s1」を開発したと発表。s1は、数学やコーディング能力テストにおいて、ChatGPTやDeepSeekの最新モデルとほぼ同等の性能を示したという。この低コスト開発の秘訣は、「蒸留」と呼ばれるAI訓練方式にある。s1はGoogleのAIモデル「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」を蒸留することで、短時間かつ低コストでの開発を実現した。

蒸留とは?AI開発における新たな潮流

蒸留とは、AIモデルの訓練過程で他のモデルの結果を利用する手法。s1はGoogleのGemini、DeepSeekはChatGPTを蒸留したとされている。この手法は、AI開発のコスト削減に大きく貢献する一方、革新的な発展を阻害する可能性も指摘されている。AI技術の倫理的な側面についても議論が必要だろう。 AI研究の第一人者である、東京大学大学院情報理工学系研究科の佐藤教授(仮名)は、「蒸留は優れた技術だが、真のイノベーションには、独自のアルゴリズム開発が不可欠だ」と指摘する。

中国発AI「DeepSeek」のコストパフォーマンスの高さ、その背景にあるもの

DeepSeekは、ChatGPTの開発費用の18分の1という低コストで開発され、市場に大きな衝撃を与えた。その背景には、蒸留技術の活用に加え、中国企業アリババが開発した無料AIモデルの利用があったとされている。中国発のAI技術が、世界的なAI開発競争を激化させている。

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政府効率化省(DOGE)、AI活用で政府構造改革へ

マスク氏が率いるDOGEは、連邦政府の構造改革にAI技術を導入する動きを見せている。政府記録やデータベースをAIに学習させ、人間の業務をAIに置き換えることを目指しているという。AIの活用は、政府の効率化にどのような変化をもたらすのだろうか。

AI開発競争は、日増しに激しさを増している。DeepSeekの登場を皮切りに、マスク氏のxAI、米大学研究チームのs1など、新たなプレイヤーが次々と名乗りを上げている。今後のAI開発競争の行方から目が離せない。