東京都議選候補者・石丸氏に公選法違反疑惑、小池知事は「あまり内容は承知しておりません」

東京都知事の小池百合子氏は、2024年6月10日に行われた都議会臨時会後の取材において、今夏の東京都議選への候補者擁立を表明している石丸伸二氏(前広島県安芸高田市長)に公職選挙法違反の疑惑が浮上していることについて問われ、「うーん。あまり内容は承知しておりません」と述べるにとどめました。

石丸氏をめぐる公選法違反疑惑とは?

「週刊文春」および「文春オンライン」は、昨年の都知事選期間中、石丸氏がYouTubeで行った生配信に関し、選挙運動費用収支報告書に計上された97万7350円のキャンセル料について疑問を呈しました。報道によると、石丸陣営は当初、民間業者に有償で配信を依頼する予定でしたが、公選法の「買収」に抵触する可能性を懸念しキャンセル。しかし、実際には同業者が配信を行ったとされています。

alt東京都知事選の候補者、石丸伸二氏の選挙活動の様子。街頭演説で支持を訴えている。alt東京都知事選の候補者、石丸伸二氏の選挙活動の様子。街頭演説で支持を訴えている。

石丸氏は6日の記者会見でこの報道内容を認め、当初は業者スタッフによる「ボランティア」だと説明していましたが、後に業者からの見積書に人件費が含まれていることが判明し、発言を訂正しました。石丸氏は公選法違反の可能性について「恐れがある、リスクがあるというのはそうなんだと思います。ただ、それを最終判断する立場ではない。事情聴取などがあれば協力します」と述べています。

小池知事の反応と都議会の新議長選出

小池知事は石丸氏への「厳しい目」について問われましたが、詳しい内容を把握していないとの見解を示しました。

この日の都議会本会議では、都議会自民党の裏金問題を受け、宇田川聡史議長(自民党)の辞職が許可されました。後任には、小池氏が特別顧問を務める都民ファーストの会所属の増子博樹副議長が選出されました。小池知事は「都議会と知事は車の両輪。世界で1番の都市東京をつくり上げていくために、連携していきたい」と抱負を語りました。

選挙コンサルタントの見解

著名な選挙コンサルタントであるA氏(仮名)は、今回の件について「選挙運動における支出の透明性は極めて重要です。もし意図的に虚偽の報告をしたのであれば、選挙の公正さを揺るがす重大な問題になりかねません」と指摘しています。今後の捜査の行方によっては、都議選への影響も避けられないでしょう。

まとめ

都議選を目前に控え、候補者擁立を表明している石丸氏に公選法違反疑惑が浮上したことは、選挙戦に大きな波紋を広げる可能性があります。小池知事の対応や今後の捜査の進展に注目が集まります。