斎藤元彦兵庫県知事の辞任を求めるデモが2025年5月25日、神戸市中央区であり、三宮や県庁前など約2キロを練り歩いた。デモの参加者は「斎藤 辞めろ」「誹謗中傷 辞めさせろ」などと声を上げた。
デモはYouTubeで生配信され、約6000人が同時視聴する時間帯もあった。
■「正義の告発を潰すな」手拍子で同調する人も
デモの参加者は、「10件のパワハラ認定 知事失格」「正義の告発を潰すな」「斎藤元彦人民共和国はイヤだ」などのプラカードを掲げ、警察に誘導されながら道路を練り歩いた。周囲からは手拍子などで同調する人もいる一方で、斎藤知事の支援者とみられる女性は「捏造通報 探索は合法」とプラカードを掲げ、デモに抗議する人もいた。
街を歩く人は、デモに対して「斎藤知事、こんな嫌われてるん」などと感想を口にしていた。
増山誠兵庫県県議はスタート地点の公園に現れ、自身のYouTubeで生配信する中、デモの参加者から激しいブーイングが起き、警察官が駆けつける一幕も。増山県議は「やばかったですね。めちゃくちゃ取り囲まれました。こういう方々たちが闊歩(かっぽ)しているから兵庫県問題は収まらないのでは」とコメントしていた。
斎藤知事は同時刻に楠木正成役として「武者行列」に参加
デモ行進前に、マイクを握った男性は「昨年3月からの斎藤知事の対応には誠意のかけらもなく、憤りを感じている。自己正当化を繰り返し、不誠実極まりない対応を繰り返す態度は到底許せない。第三者委員会から公益通報者保護法違反と指摘されても元県民局長への処分を撤回せず、謝罪もしない、最低な知事に正々堂々と胸を張って抗議しましょう」と訴えた。
主催者(Xアカウント「REBEL」)は、デモでの訴えについて、Xで「我々は、告発者への不当な扱いや権力によるハラスメント等の現状を深く憂慮します。県民の声を無視し、責任を曖味にする斎藤元彦知事に対し、断固として『NO』を突きつけます」と表明。その上で、知事の辞職を強く要求している。
一方、デモと同時刻に神戸市の湊川神社では、楠木正成役を斎藤知事が務める「楠公武者行列」が行われた。
馬に乗って街を練り歩いた斎藤知事は、沿道から「斎藤知事頑張って」と声が飛んだ一方で、ここでも「斎藤元彦 法解釈踏みにじり」や「さいとう ヤメロ」などのプラカードを掲げる人もおり、周囲は異様な雰囲気に包まれていた。
世論調査では知事を「支持しない」半数以上
斎藤知事が当選した24年11月の知事選では、斎藤知事の街頭演説で斎藤知事を支持する人と反対する人が激しく口論したり、反対派が掲げる紙を破り捨てたりするなど、他の選挙戦に見られない激しい対立が見られた。
神戸新聞社とJX通信社が25年4月に実施した世論調査では、「支持する」が34・5%、「支持しない」が55・9%と支持しないが大きく上回っている。